- Q&A
相続による農地所有権の更正登記と農地法許可書の必要性:ケーススタディと解説

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
相続による農地の所有権移転登記は既に済んでいますが、私(B)単独名義への所有権更正登記をする際に、農地法(農地法34条)の許可が必要なのかどうかが分かりません。売買の場合は許可が必要だと聞いたことがあるのですが、相続の場合はどうなのでしょうか? また、持分だけの更正であれば許可は不要とのことですが、私のケースでは所有権全体を移転する更正登記なので、許可が必要なのかどうか判断に迷っています。
農地法は、農地の所有と利用を規制し、食料生産の安定確保を目的とした法律です(農地法1条)。農地を売買したり、所有権を移転したりする際には、原則として都道府県知事の許可が必要です(農地法34条)。これは、農地が転用(例えば住宅地への変更)されることを防ぎ、農業生産に利用されるよう確保するためです。
所有権移転登記とは、不動産の所有者が変わることを登記簿に記録することです。一方、所有権更正登記とは、既に登記されている所有権の内容(例えば、共有から単独名義への変更)を修正する登記です。
質問者様のケースでは、相続によって既に農地の所有権が移転しています。相続による所有権の取得は、農地法34条の許可対象外です。そのため、相続によって取得した農地の所有権を、共有名義から単独名義に変更する更正登記を行う場合も、農地法の許可は不要です。
* **農地法(特に第34条):** 農地の売買、交換、貸借、贈与などの行為には、原則として都道府県知事の許可が必要です。ただし、相続による取得は許可の対象外です。
* **不動産登記法:** 所有権移転登記や所有権更正登記の手続きに関する法律です。
売買による農地の所有権移転と、相続による農地の所有権移転は、農地法の許可の要否において大きく異なります。売買は、農地の所有者が意図的に変わる行為であるため許可が必要ですが、相続は、法律上の承継であり、所有者の意思とは関係なく発生する行為であるため許可は不要です。また、持分だけの更正登記が許可不要であるという認識は、全体的な所有権の移転とは区別され、農地の利用実態に変化がないと判断されるためです。
所有権更正登記の手続きは、法務局で行います。必要な書類は、登記申請書、委任状、相続を証明する書類(相続放棄の有無を確認する書類を含む)、登記済証(権利証)などです。具体的な書類は、管轄の法務局に確認することをお勧めします。
登記手続きは複雑で、書類の不備があると登記が却下される可能性があります。相続関係が複雑であったり、複数の相続人がいる場合、専門家(司法書士など)に相談することで、スムーズな手続きを進めることができます。
相続による農地の所有権更正登記には、農地法の許可は不要です。ただし、登記手続き自体は複雑なため、必要書類を漏れなく準備し、不明な点があれば専門家に相談することをお勧めします。 相続による取得と売買による取得の違い、そして所有権の全体的な移転と持分だけの変更の違いを理解することが重要です。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック