相続不動産の遺産分割、裁判で共有解消まで最長何年？弁護士費用は？

相続と遺産分割協議

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が、相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に引き継がれることです。不動産も相続財産に含まれます。遺産分割協議とは、相続人同士で話し合い、相続財産をどのように分けるかを決める手続きです。協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成し、その内容に基づいて不動産の名義変更を行います。

裁判による遺産分割

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でも合意に至らない場合は、訴訟（裁判）になります。裁判では、裁判官が相続財産の分割方法を決定します。

裁判による共有解消までの期間

裁判による共有解消までの期間は、事件の複雑さや裁判所の状況によって大きく異なります。単純なケースであれば1年程度で終わることもありますが、複雑な争いになると、数年かかることもあります。特に、不動産の評価額に係る争い、相続人の数が多い場合などは、時間がかかります。最長で3年以上かかるケースも珍しくありません。

弁護士費用

弁護士費用は、弁護士によって異なりますが、一般的に成功報酬と時間報酬の組み合わせで算出されます。成功報酬は、裁判で有利な判決を得られた場合に支払う報酬で、時間報酬は、弁護士が費やした時間に応じて支払う報酬です。遺産分割の裁判では、数百万単位の費用がかかる可能性があります。初期費用として、着手金、そして、裁判が長引けば長引くほど、時間報酬が増えていきます。

誤解されがちなポイント：早期解決の重要性

遺産分割は、できるだけ早期に解決することが重要です。長期化すると、弁護士費用だけでなく、精神的な負担も大きくなります。また、不動産の管理費用なども発生するため、経済的な損失も大きくなる可能性があります。

実務的なアドバイス：早期の弁護士相談

遺産分割で揉めている場合は、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。弁護士は、遺産分割協議のサポート、調停・訴訟手続きの代理、相手方との交渉などを行います。弁護士に依頼することで、紛争の早期解決、費用負担の軽減に繋がる可能性があります。

専門家に相談すべき場合

相続に関するトラブルは、法律の知識が必要となる複雑な問題です。遺産分割協議が難航している、相続財産に高額な不動産が含まれている、相続人に多数の者がいる、など、少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

相続不動産の遺産分割で裁判になった場合、共有状態が解消されるまでには、ケースによって異なりますが、最長で数年かかる可能性があります。弁護士費用も、数百万円かかる可能性があることを念頭に置いておきましょう。早期の専門家への相談が、時間と費用の節約、そして精神的な負担軽減に繋がります。