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相続人がいない場合の共有不動産の取得:特別縁故者と民法の落とし穴
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テキストの問題文が「Bに特別縁故者がいなければAはBの持分を当然に取得する」だったら○になるのかどうか、判断に迷っています。相続や共有不動産のルールが複雑で、なかなか理解できません。
不動産(ここでは建物)を複数人で所有することを「共有」(共同所有)といいます。共有者は、それぞれ持分に応じて権利を有します。例えば、AとBが甲建物を2分の1ずつ共有している場合、Aは甲建物の2分の1の権利を、Bは同じく2分の1の権利を有します。
一方、相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産や預金など)が相続人に引き継がれる制度です。相続人は、民法で定められた親族(配偶者、子、父母など)が原則となります。相続人がいない場合、その財産は国庫に帰属します(国庫帰属)。
質問にある問題文「甲建物をAとBが共有していて、Bが相続人なくして死亡した場合、Bに特別縁故者がいなければAはBの持分を当然に取得する」は、○となります。
この問題は、民法の共有に関する規定と、相続に関する規定が関わってきます。具体的には、民法第250条(共有者の相続)が関係します。この条文は、共有者の1人が死亡した場合、その共有持分は相続によって相続人に引き継がれることを定めています。
しかし、相続人がいない場合、民法第900条に基づき、その財産は国庫に帰属します。しかし、民法第900条第2項には、特別縁故者がいる場合は、その特別縁故者に帰属するとあります。この特別縁故者は、法律で明確に定義されているわけではなく、裁判所の判断に委ねられることが多いです。
「相続人がいない」と「特別縁故者がいない」は必ずしもイコールではありません。相続人は法律で定められた親族ですが、特別縁故者は必ずしも親族とは限りません。例えば、長年同居し、経済的に援助していた友人なども、特別縁故者として認められる可能性があります。
Bが死亡し、相続人がいない場合、AはBの持分を直接取得できるわけではありません。まず、Bの財産(この場合は甲建物の持分)は、原則として国庫に帰属します。しかし、Bに特別縁故者がいないと判断された場合、Aは国庫からBの持分を取得する手続きを行う必要があります。この手続きには、相続放棄の手続きや、国庫への所有権移転登記の申請などが含まれます。
相続や不動産に関する手続きは複雑で、法律の専門知識が必要です。相続人がいない場合の財産取得は、特に複雑な手続きを伴うため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。間違った手続きを行うと、権利取得が遅れたり、最悪の場合、権利を失ってしまう可能性もあります。
共有不動産の相続において、共有者の1人が相続人なく死亡した場合、その持分は原則として国庫に帰属します。しかし、特別縁故者がいない場合は、他の共有者がその持分を取得できます。ただし、取得には適切な手続きが必要です。複雑な手続きや、特別縁故者に関する判断に迷う場合は、専門家への相談が不可欠です。
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