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相続人が破産!遺産分割手続きはどうなる?破産と遺産分割の複雑な関係を徹底解説

【背景】
父が亡くなり、遺産分割手続きを進めているところです。ところが、相続人の一人である兄が、事業の失敗により破産手続きを開始することになりました。兄は遺産分割協議にも参加したいと言っています。

【悩み】
破産手続き中の相続人は、遺産分割手続きに参加し続けることができるのでしょうか?参加できない場合、どのように遺産分割を進めていけば良いのか、不安です。兄が受け取るはずだった遺産はどうなるのでしょうか?

破産手続き開始後も遺産分割協議には参加できますが、相続財産は破産財産に属します。

テーマの基礎知識:破産と遺産分割の基礎

まず、破産(insolvency)と遺産分割(inheritance division)について、それぞれ簡単に説明します。

破産とは、債務者が支払不能(債務超過)の状態に陥り、裁判所に破産手続き開始を申し立て、裁判所がこれを認めることで始まる手続きです。破産手続きが開始されると、債務者の財産は破産管財人(破産手続きを管理する人)によって管理され、債権者(お金を貸した人)に公平に分配されます。

遺産分割とは、相続人が亡くなった人の財産(遺産)をどのように分けるかを決める手続きです。相続人同士で話し合って決める協議(遺産分割協議)と、裁判所に判断を仰ぐ裁判(遺産分割裁判)があります。

今回のケースへの直接的な回答:破産手続き開始後の遺産分割

兄が破産手続きを開始したとしても、遺産分割協議には参加し続けることができます。しかし、重要なのは、兄が相続によって取得するはずだった遺産は、兄の破産財産(破産手続きの対象となる財産)となる点です。つまり、兄は遺産を自由に処分することはできず、破産管財人の管理下に置かれます。

関係する法律や制度:民法と破産法

このケースには、民法(相続に関する規定)と破産法(破産手続きに関する規定)が関係します。民法は遺産分割の方法や相続人の権利義務を定めており、破産法は破産手続きの進め方や破産財産の取扱い方を定めています。両方の法律を考慮して、遺産分割を進める必要があります。

誤解されがちなポイント:破産=遺産放棄ではない

破産手続き開始は、遺産の放棄(相続を放棄すること)とは違います。兄は破産手続き中でも、相続人としての地位を維持し、遺産分割協議に参加できます。ただし、兄が受け取る遺産は破産財産となり、債権者に分配される可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例:具体的な手続き

遺産分割協議を行う際には、兄の破産管財人に協議に参加してもらう必要があります。協議の結果、兄が相続する財産は破産財産として管理され、債権者への配当に充当されます。他の相続人は、兄の相続分を差し引いた上で遺産を分割することになります。例えば、遺産が1000万円で相続人が3人(あなた、兄、もう一人)で、兄の相続分が333万円だった場合、兄の相続分は破産管財人が管理し、残りの667万円をあなたともう一人の相続人で分割することになります。

専門家に相談すべき場合とその理由:弁護士や司法書士への相談

遺産分割は複雑な手続きであり、特に破産手続きが絡む場合は、専門家の助言が必要となるケースが多いです。弁護士や司法書士に相談することで、法律的なリスクを回避し、円滑な遺産分割を進めることができます。特に、相続財産の価値が高額な場合や、相続人間に複雑な人間関係がある場合は、専門家への相談を強くお勧めします。

まとめ:破産と遺産分割のポイント

破産手続き開始後も、相続人は遺産分割協議に参加できますが、相続財産は破産財産となります。そのため、破産管財人の協力を得ながら、民法と破産法の両方を考慮した上で、慎重に遺産分割を進めることが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを回避し、円満な解決に導くことができるでしょう。

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