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相続人が4名、1名が相続を知らず…不動産の所有権移転登記は可能?遺言書・時効との関係も解説

【背景】
・父が亡くなりました。相続人は私を含め4人です。
・そのうち1人の相続人が、父の死亡をまだ知りません。
・他の相続人3人で、父の不動産の所有権移転登記をしたいと考えています。

【悩み】
・相続人が父の死亡を知らないまま、移転登記を進めても問題ないのでしょうか?
・遺言書があれば、遺産分割協議書がなくても移転登記は可能だと聞いたのですが、本当でしょうか?
・時効をうまく利用して、移転登記を進めることは可能でしょうか?
・どのような手続きが必要で、どのような点に注意すれば良いのか教えてください。

相続人が死亡を知らずとも、他の相続人の同意があれば登記は可能ですが、後々トラブルになる可能性があります。遺言書があれば協議書は不要ですが、全ての相続人の同意が必要です。時効による登記は認められません。

相続と不動産登記の基本

不動産の所有権(その不動産を所有する権利)の移転は、登記(所有権の変更を法務局に登録すること)によって初めて完了します。相続によって不動産を相続する場合も、相続人が所有権を取得するには、相続登記(相続によって所有権が移転したことを登記すること)を行う必要があります。 この登記には、相続人の全員の同意が必要です。 相続人が全員で遺産分割協議(相続財産をどのように分けるかを決める協議)を行い、その内容を記載した遺産分割協議書を作成し、それを基に登記手続きを行います。

今回のケースへの対応:死亡を知らない相続人の扱い

質問者様のケースでは、相続人の1人が被相続人の死亡を知りません。 この場合、その相続人の同意を得ずに登記を進めることは、法律上問題があります。 たとえ他の相続人が同意したとしても、死亡を知らない相続人が後にその事実を知り、異議を申し立てれば、登記は無効になる可能性が高いです。 まずは、死亡を知らない相続人に連絡を取り、状況を説明し、同意を得ることが最善です。

遺言書と遺産分割協議書の関係

遺言書(被相続人が自分の死後に財産をどのように相続させるかを決めた書面)があれば、遺産分割協議書は不要になるケースがあります。 しかし、それは「遺言書に相続方法が明確に記載されている場合」に限られます。 遺言書があっても、相続人の全員の同意がなければ、登記はできません。 遺言書の内容に異議を唱える相続人がいれば、裁判になる可能性もあります。

時効による所有権取得の可能性

不動産の所有権取得に時効を適用することはできません。 民法上の時効は、所有権の取得ではなく、所有権の消滅時効(所有権を主張する権利を失う時効)に関係します。 所有権の取得には、登記が必須です。 したがって、時効を利用して所有権移転登記を行うことは不可能です。

誤解されやすいポイント:相続人の同意の重要性

相続登記において最も重要なのは、全ての相続人の同意です。 たとえ一部の相続人が同意していても、他の相続人が異議を唱えれば、登記は認められません。 相続登記は、相続人全員の合意に基づいて行われるべきです。(所有権移転登記は、相続登記の一種です。)

実務的なアドバイス:相続専門家の活用

相続手続きは複雑で、法律的な知識も必要です。 相続人同士でトラブルになるケースも少なくありません。 スムーズに相続登記を進めるためには、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、相続手続き全般をサポートし、トラブルを回避するお手伝いをしてくれます。

専門家に相談すべき場合

相続人同士で意見が合わない場合、遺言書の内容に異議がある場合、相続財産に複雑な事情がある場合などは、必ず専門家に相談しましょう。 早めの相談が、トラブルの防止と円滑な相続手続きに繋がります。

まとめ:相続登記は慎重に

相続登記は、不動産の所有権を確定する重要な手続きです。 相続人の全員の同意を得ること、そして必要に応じて専門家の力を借りることが、トラブルを回避し、円滑に手続きを進めるための鍵となります。 特に、今回のケースのように相続人の1人が死亡を知らない状況では、専門家への相談が不可欠です。 安易な判断は後々大きな問題につながる可能性があるので、慎重に進めるようにしましょう。

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