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相続分指定(902条)と遺産分割方法指定(908条)の違い:割合と具体的な財産、どちらが重要?

【背景】
先日、父が亡くなりました。遺言書の作成を検討しているのですが、「相続分の指定」と「遺産分割方法の指定」の違いがよく分からず困っています。法律用語も難しくて…。

【悩み】
相続分の指定と遺産分割方法の指定の違いを、具体例を交えて教えていただきたいです。特に、割合を指定するかどうかがポイントなのでしょうか?半分をAに相続させる、という場合と、甲不動産をAに相続させる、という場合では、どちらが相続分の指定で、どちらが遺産分割方法の指定になるのでしょうか?

相続分指定は割合、遺産分割方法は具体的な財産を指定

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

民法(明治29年法律第89号)第902条と第908条は、遺言によって相続財産をどのように分割するかを定める規定です。 どちらも遺言者の意思を尊重し、相続手続きを円滑に進めるための重要な条文です。

* **相続分指定(902条):** 相続人それぞれの相続割合を指定する遺言です。例えば、「長男甲に相続財産の3分の2、次男乙に相続財産の3分の1を相続させる」といった記述が該当します。 割合が重要で、具体的な財産は指定しません。

* **遺産分割方法の指定(908条):** 具体的な財産をどの相続人に割り当てるかを指定する遺言です。例えば、「甲不動産を長男甲に、乙不動産を次男乙に相続させる」といった記述が該当します。 割合は重要ではなく、具体的な財産への帰属が重要です。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様の例で言うと、「半分をAに相続させる」は**相続分指定(902条)**、「甲不動産をAに相続させる」は**遺産分割方法の指定(908条)**となります。

前者は相続財産の50%をAが相続することを指定しており、具体的な財産は指定していません。後者は特定の不動産である「甲不動産」をAに相続させることを指定しており、割合は考慮されていません。

関係する法律や制度がある場合は明記

関係する法律は、前述の通り民法第902条(相続分の指定)と第908条(遺産分割方法の指定)です。 これらの条文は、遺言の有効性や解釈において重要な役割を果たします。 遺言書を作成する際には、これらの条文を理解した上で、専門家(弁護士など)に相談することが推奨されます。

誤解されがちなポイントの整理

相続分指定と遺産分割方法の指定は、互いに排他的ではありません。 一つの遺言書の中で、両方の方法を併用することも可能です。例えば、「相続財産の60%をAに、残りの40%をBとCで折半する」といった遺言は、相続分指定と遺産分割方法の指定を組み合わせた例です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

遺言書を作成する際には、専門家(弁護士や司法書士)に相談することが非常に重要です。 専門家は、遺言の内容が法律に合致しているか、相続人の間で紛争が起こらないような適切な表現になっているかなどを確認してくれます。 また、相続財産の状況や相続人の状況を考慮した上で、最適な遺言書の作成を支援してくれます。

例えば、不動産以外にも預金や株式など様々な財産がある場合、相続分指定だけでは、どの相続人がどの財産を相続するのかが不明確になる可能性があります。 そのような場合は、遺産分割方法の指定を併用したり、具体的に財産を列挙した上で割合を指定するなど、より詳細な記述が必要となるでしょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴うため、専門家に相談することを強くお勧めします。特に、以下の様な場合は専門家のアドバイスが必要不可欠です。

* 相続財産が複雑な場合(不動産、株式、預金など複数の種類の財産がある場合)
* 相続人が多数いる場合
* 相続人の間で争いが起こりそうな場合
* 遺言書の作成に不慣れな場合

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

相続分指定は相続割合を、遺産分割方法の指定は具体的な財産を指定します。 割合と具体的な財産、どちらを重視するかが両者の違いです。 遺言書の作成は専門家に相談し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。 複雑な相続手続きを円滑に進めるためには、専門家の適切なアドバイスが不可欠です。

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