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相続協議と現金受領:贈与税の心配は本当に必要?兄弟間の相続と贈与の境界線

質問の概要

両親が亡くなり、兄と私の兄弟2人で家と預金を相続することになりました。相続額は相続税の基礎控除額以内です。相続協議の結果、兄がすべての財産を相続し、兄から私に数百万の現金が手渡されることになりました。しかし、協議書には現金の受渡しの記載がありません。この現金は贈与とみなされ、贈与税がかかる可能性があるか心配です。

  • 背景:両親の相続手続きを進めています。
  • 悩み:協議書に現金の受渡しが記載されていないため、贈与税がかかるか心配です。
相続税の基礎控除額以内であれば、相続税はかかりません。しかし、現金の受領が贈与とみなされる可能性があります。

相続と贈与の違い:基本的な考え方

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に法律によって移転することです。一方、贈与とは、生前に財産を無償で譲渡することです。今回のケースでは、両親の財産が兄弟に相続されることが前提となります。

今回のケースにおける現金受領の性質

協議書に現金の受渡しが記載されていない点が問題です。相続財産は、相続開始時(被相続人が亡くなった時点)に確定します。相続協議で財産の分割方法を決めることはできますが、相続財産自体を変えることはできません。

兄が全ての財産を相続し、その後、あなたに現金が渡された場合、その現金は「相続分の一部」とみなせる可能性が高いです。しかし、協議書に記載がないため、税務署は「贈与」と判断する可能性も否定できません。

相続税と贈与税:それぞれの税金について

相続税は、相続によって財産を受け継いだ際に課税される税金です。相続税の基礎控除額(2023年度は5,000万円)を超える相続財産に対して課税されます。今回のケースでは、相続財産の総額が基礎控除額以内なので、相続税はかかりません。

贈与税は、生前に財産を無償で贈与された際に課税される税金です。贈与税には年間贈与の非課税枠(110万円)があり、この枠内であれば贈与税はかかりません。

誤解されがちなポイント:協議書と税務署の判断

相続協議書は、相続人同士の合意を示す重要な書類ですが、法律上の効力(強制力)は必ずしもありません。税務署は、協議書の内容だけでなく、現金の受領状況や、兄弟間の関係性など、様々な証拠を総合的に判断して、相続か贈与かを判定します。

実務的なアドバイス:証拠の確保が重要

税務署の判断を有利に進めるためには、現金の受領が相続であることを証明する証拠をしっかり確保することが重要です。例えば、兄から現金を受け取ったことを示す領収書や、現金の受領について兄弟間で交わしたメールや手紙などの記録があれば、有効な証拠となります。

また、相続財産の評価額を明確に示す書類(不動産の評価書など)も重要です。これにより、現金の金額が相続分の一部であることを説明しやすくなります。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続税や贈与税の申告は、法律の専門知識が必要な複雑な手続きです。少しでも不安がある場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、あなたの状況を正確に把握し、最適な手続き方法をアドバイスしてくれます。

特に、今回のケースのように、協議書に現金の受渡しが記載されていない場合、税務署とのトラブルを避けるためにも、専門家の助言を受けることが非常に重要です。

まとめ:証拠をしっかり残し、専門家の力を借りる

相続は複雑な手続きです。特に、今回のケースのように現金の受領に関する明確な合意が文書化されていない場合、贈与税の課税リスクを完全に排除することは困難です。しかし、適切な証拠を準備し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることで、税務上のリスクを最小限に抑えることができます。 将来的なトラブルを避けるためにも、早めの対応が重要です。

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