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相続協議中の名義預金と遺産相続:兼業農家長男の立場から見た通帳の扱い方

質問の概要

【背景】
* 質問者は長男で、両親と別居しながら兼業農家として両親の稲作を任されていました。
* 生前、父親から農業経営者移動の手続きを依頼され、農業収入は父親が管理する質問者名義の口座に入金されていました。
* 土地の賃貸借契約も父親の依頼で手続きし、賃貸料も質問者名義の別口座に入金後、父親の口座に振り込まれていました。
* これらの手続きは、父親の農業者年金取得のために行われたものです。
* 相続開始後に、質問者はこれらの通帳の存在を知りました。
* 現在、相続協議中です。

【悩み】
両親の稲作委託料と土地賃貸料が入金されている、質問者名義の通帳2つについて、相続協議に関係なく自分のものになるのかどうかを知りたいです。遺産目録には記載していません。法定相続人は母と兄弟4人です。不動産収入の存在は相続人全員が承知しています。

名義は質問者ですが、相続財産です。

テーマの基礎知識:相続と名義預金

相続とは、被相続人が亡くなった際に、その財産が相続人に承継されることです(民法876条)。相続財産には、預金、不動産、動産など、被相続人が所有していたあらゆる財産が含まれます。

名義預金とは、預金の名義が相続人以外の者になっている預金のことです。今回のケースでは、質問者名義の通帳に、父親の農業収入や賃貸料が入金されていますが、これは名義預金の一種と考えることができます。しかし、単に名義が質問者であるからといって、相続財産ではないとは限りません。

重要なのは、その預金の**実質的な所有者**が誰であるかです。

今回のケースへの直接的な回答

質問者名義の通帳に預金されている200万円(稲作委託料)と200万円(賃貸料)は、**相続財産に含まれます**。

なぜなら、これらの預金は、父親の収入であり、父親が管理していたからです。質問者名義の口座に預金されていたとしても、父親が自由に引き出せる状態であったなら、父親の財産であり、相続の対象となります。

関係する法律や制度

このケースには、民法(特に相続に関する規定)が適用されます。特に、民法第876条以降の相続に関する規定が重要です。

誤解されがちなポイントの整理

「名義が自分だから自分のもの」という誤解は非常に多いです。名義はあくまで形式的なものであり、実質的な所有権とは必ずしも一致しません。今回のケースでは、父親が実質的な所有者であり、名義は父親の便宜的な措置であったと推測できます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

相続協議においては、証拠をしっかりと揃えておくことが重要です。今回のケースでは、以下の証拠が重要になります。

* 父親からの依頼を示す文書(あれば)
* 委託契約書
* 賃貸借契約書
* 通帳の取引明細
* 父親が通帳を管理していたことを示す証拠

これらの証拠を提示することで、相続財産であることを明確にできます。相続協議がスムーズに進むように、これらの証拠を整理して、相続人全員に提示しましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴うため、ご自身で判断することに不安がある場合、または相続人との間で意見の食い違いが生じた場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、相続手続きを円滑に進めるお手伝いをします。特に、相続人との間で争いが生じる可能性がある場合は、専門家の介入が不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 名義預金であっても、実質的な所有者が被相続人であれば相続財産です。
* 相続協議では、証拠をしっかりと準備することが重要です。
* 複雑な相続問題には、専門家の相談が不可欠です。

今回のケースでは、質問者名義の通帳の預金は、父親の収入であり、相続財産に含まれると判断するのが妥当です。相続協議においては、冷静に、そして証拠を基に話し合うことが大切です。必要に応じて、専門家の力を借りることも検討しましょう。

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