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相続対策の建て貸し、店舗閉店時のリスクとオーナーの責任:コロナ禍と地価高騰が招く不動産問題
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おすすめ3社をチェック建て貸しとは、土地の所有者が建物を建て、テナントに貸し出す契約形態です(**賃貸借契約**の一種)。オーナーは土地と建物の所有者であり、テナント(借主)は建物を借りて事業を行う立場です。テナントが倒産しても、オーナーは建物の所有権を維持し、建築ローン(**住宅ローン**の一種)の返済義務は変わりません。これは、契約書に明記されていることが前提となります。
質問者様の知人のケースでは、テナントが倒産した場合でも、建築ローンはオーナーが払い続ける必要があります。これは、テナントとの賃貸借契約とは別に、オーナーが金融機関と結んだローン契約に基づく義務だからです。テナントの経営状況が悪くても、オーナーの返済義務は免除されません。
このケースに直接的に関係する法律は、**民法**(賃貸借契約に関する規定)と**抵当権設定契約**(ローン契約に関する規定)です。民法では、賃貸借契約の内容、賃料の支払、建物の修繕責任などが規定されています。抵当権設定契約では、オーナーが土地・建物を担保にローンを組んでいる場合、ローン返済が滞ると金融機関は担保権を行使し、土地・建物を競売にかけることができます。
「テナントが倒産したら、ローンも免除されるのでは?」という誤解が多いです。しかし、ローン契約はテナントとの賃貸借契約とは別個に存在します。テナントの経営状況とオーナーのローン返済義務は直接的には関係ありません。
テナントが倒産した場合、オーナーはまず、テナントとの賃貸借契約の内容を確認する必要があります。契約書に、テナントの倒産時の対応や、賃料滞納時の措置などが記載されているはずです。次に、金融機関と相談し、ローンの借り換えや返済計画の見直しを検討する必要があります。最悪の場合、建物を売却することも選択肢の一つです。
例えば、新たなテナントを見つける努力をする、もしくは、建物を売却してローンを完済するなどといった対応が考えられます。
法律や不動産に詳しくない場合、専門家のアドバイスを受けることが重要です。弁護士や不動産鑑定士などに相談することで、契約内容の確認、適切な対応策の検討、リスクの軽減を図ることができます。特に、複雑な契約や高額なローンを抱えている場合は、専門家の助言が不可欠です。
建て貸しは、相続対策として有効な手段となる一方、テナントの経営悪化によるリスクも伴います。オーナーは、契約内容を十分に理解し、テナント選び、契約書作成、金融機関との関係構築を慎重に行う必要があります。テナントの倒産という事態に備え、専門家への相談も視野に入れるべきでしょう。特に、高齢者の方が相続対策として行う場合は、リスクを十分に理解した上で、専門家のアドバイスを得ながら進めることが重要です。
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