相続手続きの全貌：亡父からの遺産、借金、不動産…不安を解消する完全ガイド

相続開始と相続財産の確認方法

まず、相続（法律用語で「相続開始」と言います）とは、人が亡くなった時点で発生する法律上の事象です。 相続開始によって、亡くなった人の財産（遺産）が相続人に引き継がれることになります。 あなたの父が亡くなった時点で相続は開始しており、この時点から相続手続きが始まります。

遺産の状況を確認するには、まず「相続財産目録」を作成する必要があります。これは、亡くなった方の預金残高、不動産、有価証券（株や債券など）、借金など、全ての財産をリストアップしたものです。 預金通帳、不動産登記簿謄本（不動産の所有状況が記載された公的な書類）、証券口座の明細書などを集めて確認しましょう。 これらの書類は、亡くなった方の自宅や金融機関などで探すことになります。 一人で探すのが難しい場合は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するのも良いでしょう。

遺産がマイナスだった場合の遺産放棄

遺産が借金などの負債（債務）の方が多かった場合、相続を放棄することができます。これを「遺産放棄」と言います。 遺産放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して申述（申請）する必要があります。 この期限を過ぎると、放棄できなくなってしまうので注意が必要です。 ただし、相続開始を知った日というのは、必ずしも死亡日ではありません。 例えば、死亡を知ったのが数日後であったとしても、その日から3ヶ月が期限となります。

相続人の範囲と相続割合

あなたの父が亡くなった場合、相続人は、配偶者と子です。 あなたの父は離婚していたため、配偶者はおりません。 そのため、相続人はあなたとあなたの妹になります。 相続割合は、民法で定められており、通常は法定相続分に従って相続します。 兄弟姉妹の場合は、均等に相続するのが一般的です。つまり、あなたと妹で遺産を半分ずつ相続することになります。

相続後の借金発覚のリスク

相続後に、知らなかった借金が発覚する可能性はあります。 これは、亡くなった方が隠していた借金や、相続開始後に判明する借金などです。 このような場合でも、相続人は、相続した財産を限度として借金の返済義務を負うことになります。 つまり、相続した財産よりも借金が多い場合は、残りの借金を返済する必要はありません。

父名義の家の扱い

父名義の家は、相続財産の一部です。 何も手続きをしないと、相続人であるあなたと妹が共有で所有することになります。 しかし、共有状態では、売却やリフォームなどの手続きが複雑になるため、相続手続きの中で、誰が所有するか、売却するかなどを決める必要があります。 この際、相続人同士で話し合いで決めるのが理想ですが、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることもできます。

専門家に相談すべきケース

遺産相続は複雑な手続きが多く、法律の知識も必要です。 特に、遺産に不動産が含まれている場合や、相続人に争いがある場合は、専門家である弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 専門家は、相続手続きの進め方、遺産分割の方法、税金対策などについて適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ

相続手続きは、期限や法律の知識が複雑なため、専門家のサポートを受けることが重要です。 まずは相続財産目録を作成し、遺産の状況を把握しましょう。 そして、遺産放棄の期限や相続手続きについて、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 早めの行動が、スムーズな相続手続きにつながります。