相続手続きをスムーズに進めるために！税理士・司法書士への依頼と自分自身の準備

１．相続手続きの全体像：まずは全体像を把握しよう

相続手続きは、大きく分けて「遺産の調査」「相続人の確定」「遺産分割」「相続税申告（該当する場合）」といった段階があります。 税理士や司法書士はこれらの手続きを専門的にサポートしますが、依頼するだけでは済まない部分も存在します。 相続手続きは、法律に基づいた複雑な手続きなので、専門家のサポートを受けつつ、自分自身も積極的に関わることがスムーズな手続きを進める鍵になります。

２．自分自身で準備すべきこと：必要な書類を揃えよう

相続手続きを進める上で、ご自身で準備すべき書類は非常に重要です。 具体的には、以下の書類が挙げられます。

• 故人の戸籍謄本（全部事項証明）：故人の出生から死亡までの全ての戸籍情報が記載された書類です。相続人の確定に必須です。
• 故人の住民票：故人の住所と氏名を確認するための書類です。戸籍謄本と合わせて提出することが多いです。
• 遺産に関する書類：預金通帳、不動産登記簿謄本（所有している不動産の登記情報）、生命保険証書、有価証券（株券など）の証券など、故人が所有していた財産の明細がわかる書類です。 これらの書類は、遺産の総額を把握するために必要不可欠です。
• 相続人の住民票：相続人全員の住民票です。相続人の確定に必要です。
• 身分証明書：相続人全員の身分証明書（運転免許証、パスポートなど）です。本人確認のために必要です。

これらの書類は、市区町村役場などで取得できます。 必要な書類の種類や枚数は、相続財産の状況や相続人の数によって異なるため、税理士や司法書士に相談しながら準備を進めるのがおすすめです。

３．税理士と司法書士の役割：それぞれの専門性を理解しよう

税理士は、主に相続税の申告に関する業務を担当します。相続税の計算、申告書の作成、税務署への提出などを行います。 一方、司法書士は、相続登記（不動産の名義変更）や遺産分割協議書の作成などを担当します。 それぞれの専門分野を理解し、適切な役割分担を意識することで、手続きがスムーズに進みます。

４．相続人の確定：相続人全員で協力しよう

相続人は、民法に定められた法定相続人（配偶者、子、父母など）です。 相続人の確定には、戸籍謄本などを用いて、相続人の氏名、住所、続柄などを正確に把握する必要があります。 相続人全員の合意が重要になりますので、相続人同士でしっかりと話し合い、協力することが大切です。

５．遺産の把握：正確な把握が重要です

相続財産の把握は、相続税の計算や遺産分割に不可欠です。 預金、不動産、有価証券、生命保険金など、故人が所有していた全ての財産を正確に把握する必要があります。 不明な点があれば、税理士や司法書士に相談しましょう。

６．誤解されがちなポイント：相続放棄と限定承認

相続放棄とは、相続を一切受けないことを宣言することです。 相続財産に債務（借金）が多い場合などに選択されることがあります。 限定承認とは、相続財産と債務を両方引き継ぐものの、相続財産で債務を弁済できる範囲に限定して相続することを宣言することです。 これらの制度は、複雑な手続きを伴うため、専門家に相談することが重要です。 （＊相続放棄や限定承認は、期限がありますので注意が必要です。）

７．専門家に相談すべき場合：一人で抱え込まずに相談しよう

相続手続きは、法律や税制に関する知識が必要な複雑な手続きです。 相続財産に不動産が含まれている場合、相続税の申告が必要な場合、相続人間で争いがある場合などは、特に専門家のサポートが必要となります。 一人で抱え込まず、税理士や司法書士に相談しましょう。

８．まとめ：準備と専門家の活用でスムーズな相続を

相続手続きは、複雑で時間もかかる作業です。 しかし、必要な書類を事前に準備し、税理士や司法書士などの専門家の力を借りながら進めることで、スムーズに手続きを進めることができます。 分からないことがあれば、すぐに専門家に相談することが大切です。 相続は人生における大きな出来事の一つです。 焦らず、一つずつ丁寧に進めていきましょう。