• Q&A
  • 相続手続き未済の不動産を担保にしたローンの申込可能性と手続き

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

相続手続き未済の不動産を担保にしたローンの申込可能性と手続き

【背景】
* 亡き父名義の建物と亡き祖父名義の土地を担保に不動産担保ローンを利用したいと考えています。
* 相続手続き(相続登記)がまだ完了していません。相続費用が払えず、そのままになっています。
* 親戚・身内からは相続に関する許可をもらっています。

【悩み】
相続手続きが完了していない状態でも、不動産担保ローンを申し込むことは可能でしょうか?可能であれば、どのような金融機関が融資してくれるのでしょうか?

相続登記完了前にローン申込は難しい。まずは相続手続きを優先。

相続手続き未済の不動産を担保にしたローンの可能性

相続と不動産登記

まず、不動産の所有権について理解しましょう。不動産(建物や土地)の所有者は、登記簿(登記簿に所有者の情報が記録された公的な書類)に記載されている人です。あなたの父と祖父が亡くなったため、現在、その不動産の所有権は法律上、相続人であるあなたに移転しています。しかし、登記簿にあなたの名前が記載されていない状態です。これを「名義変更がされていない」または「相続登記がされていない」と言います。

不動産担保ローンと所有権

不動産担保ローンとは、不動産を担保(借金の返済ができない場合に、債権者(貸し手)が不動産を売却して返済に充てることができるという担保のこと)にしてお金を借りるローンです。金融機関は、ローンの返済を確実に受け取るために、担保となる不動産の所有権が明確であることを確認します。相続登記が完了していない状態では、あなたの所有権が明確に証明できないため、多くの金融機関は融資を断るでしょう。

今回のケースへの直接的な回答

残念ながら、現状では、相続登記が完了していないため、多くの金融機関で不動産担保ローンの申込は難しいと判断されます。

関係する法律と制度

不動産の所有権の移転は、民法(日本の私法の基本法)に基づいて行われます。相続登記は、不動産登記法(不動産に関する登記を規定する法律)で定められています。相続登記をせずにローンを申し込むことは、法律違反ではありませんが、金融機関は融資の可否を判断する上で、登記簿上の所有権を確認する必要があるため、融資が難しいでしょう。

誤解されがちなポイントの整理

「親戚・身内から許可をもらっているから大丈夫」という考えは誤解です。親戚・身内からの承諾は、法律上、所有権の移転には影響しません。所有権の移転は、相続登記によって初めて法的に確定します。

実務的なアドバイスと具体例の紹介

まず、相続登記を完了させることが最優先です。相続手続きには、遺産分割協議(相続人同士で遺産をどのように分けるかを決める協議)、相続税の申告(相続によって得た財産に対して課税される税金)、そして相続登記など、いくつかのステップがあります。これらの手続きには、司法書士や税理士などの専門家の助けが必要となる場合もあります。

相続手続きが完了した後、改めて不動産担保ローンの申込を検討しましょう。その際、複数の金融機関に相談し、金利や条件などを比較検討することが重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続手続きは複雑で、専門知識が必要な場合があります。相続税の申告が必要な場合や、遺産分割協議で相続人同士で意見が合わない場合などは、税理士や弁護士に相談することを強くお勧めします。また、不動産担保ローンの申込についても、金融機関への相談に加え、ファイナンシャルプランナーなどの専門家のアドバイスを受けることで、より適切な選択ができるでしょう。

まとめ

相続登記が完了していない状態では、不動産担保ローンの申込は非常に困難です。まずは相続手続きを完了させ、その後、複数の金融機関と相談しながら、最適なローンを選択することが重要です。専門家の力を借りることを検討することも、スムーズな手続きを進める上で有効な手段となります。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop