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相続放棄できない?祖母の不動産の持分放棄と遺産分割協議の進め方

【背景】
・祖母の不動産の名義が祖母のままです。
・相続人は母、叔父、従妹の3名です。
・従妹が遺産分割協議に応じず、協議が進みません。

【悩み】
母と叔父は、祖母の不動産の持分を放棄したいと考えています。持分放棄は可能でしょうか?また、遺産分割協議を進めるにはどうすれば良いのでしょうか?

相続放棄はできますが、持分放棄はできません。遺産分割協議を裁判所に申し立てる必要があります。

1.相続と遺産分割協議の基礎知識

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産(不動産、預金、債権など)が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。 今回の場合、祖母が被相続人、母、叔父、従妹が相続人となります。

相続が発生すると、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産をどのように分けるかを決める必要があります。協議がまとまれば、その内容に従って遺産が分割されます。しかし、今回のケースのように、相続人全員の合意が得られない場合は、協議は進みません。

2.今回のケースへの直接的な回答

質問にある「持分放棄」は、相続財産の一部を放棄することを意味しますが、相続開始後、相続人が相続財産を放棄する手続きは「相続放棄」と呼ばれ、持分放棄とは異なります。相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法第1015条)。既に期間が経過している場合は、相続放棄はできません。

一方、相続を承継した場合、相続財産を自由に処分できます。しかし、相続人全員の同意なく、一方的に自分の持分を放棄することはできません。これは、共有財産(複数の所有者がいる財産)の性質によるものです。

3.関係する法律や制度

今回のケースに関係する法律は、民法です。特に、相続に関する規定(民法第880条以下)と、共有に関する規定(民法第240条以下)が重要になります。 遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます(民事訴訟法)。調停が不成立の場合は、裁判による解決も可能です。

4.誤解されがちなポイントの整理

「持分放棄」と「相続放棄」を混同しやすい点が、大きな誤解のポイントです。相続放棄は相続そのものを放棄する手続きであり、持分放棄は既に相続を承継した上で、自分の持分を放棄することです。 後者は、共有関係にある他の相続人の同意が必要となります。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

従妹が遺産分割協議に応じない場合、まずは従妹に協議の意思を確認する書面を送付することをお勧めします。それでも応じない場合は、内容証明郵便で送付し、証拠を残しておくことが重要です。 それでも解決しない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる必要があります。調停委員の仲裁により、合意に至る可能性があります。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

遺産分割協議は、法律や手続きが複雑なため、スムーズに進まないケースが多くあります。特に、相続人が複数いる場合や、相続財産に複雑な事情がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。専門家は、適切なアドバイスを行い、手続きをサポートしてくれます。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

母と叔父は、祖母の不動産の持分を一方的に放棄することはできません。従妹との遺産分割協議が不可欠です。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる必要があります。「持分放棄」と「相続放棄」の違いを理解し、専門家の力を借りながら、問題解決に取り組むことが重要です。 相続手続きは複雑なため、早めの専門家への相談が、円滑な解決につながります。

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