相続放棄で解決？老朽化した祖父母の家の固定資産税と相続問題

【背景】
* ５月に母方の祖母が亡くなりました。
* 祖父母の家の相続手続きは行われていませんでした。
* 築55年、老朽化が著しい家です。狭小住宅で、車や重機も入れません。
* 叔父（長男）から、7月までに固定資産税を支払うよう、私と姉に連絡がありました。叔父は経済的に支払いが困難とのことです。
* 母は認知障害があり、施設に入所しています。叔父（長男）も精神疾患を抱えています。
* 祖父母の兄弟姉妹の人数や金銭的財産は不明です。

【悩み】
祖父母の家の固定資産税を支払うべきか、売却すべきか、それとも相続放棄をするべきか迷っています。家は老朽化が激しく、リフォームも困難です。売却しても利益はほとんど期待できません。財産に執着はなく、誰かが負担するならそれで良いと思っています。相続放棄が家族全員にとって最善の解決策なのか知りたいです。

相続放棄が可能です。ただし、期限があります。

相続放棄とは何か？

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産、権利、義務が相続人（法律上の相続権を持つ人）に引き継がれることです。相続財産には、預金や不動産だけでなく、借金なども含まれます。相続放棄とは、この相続を受けないことを法的に宣言することです。相続放棄をすれば、被相続人の財産を受け継ぐ必要がなくなり、借金などの債務も負う必要がなくなります。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、祖父母の家の相続手続きがなされていないため、祖母が亡くなった時点で、相続人（質問者様、ご兄弟、母）に相続が開始されています。叔父さんが支払いを求めている固定資産税は、相続開始時点から相続人全員の責任となります（連帯債務）。現状、老朽化した家屋に多額の費用をかけるのは現実的ではないため、相続放棄が現実的な選択肢となります。ただし、相続放棄には期限がありますので、速やかに手続きを行う必要があります。

相続放棄の期限と手続き

相続放棄は、相続開始を知った時から３ヶ月以内に行う必要があります。相続開始を知った日とは、相続があったことを知った日です。手続きは、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出することで行います。専門家（弁護士や司法書士）に依頼することを強くお勧めします。

相続放棄に関する法律

相続放棄は、民法第915条以下に規定されています。相続開始を知った日から３ヶ月以内に、家庭裁判所に申述しなければなりません。期限を過ぎると、相続放棄ができなくなります。

誤解されがちなポイント：相続放棄と財産放棄の違い

「相続放棄」と「財産放棄」は混同されがちですが、全く異なるものです。「相続放棄」は、相続そのものを放棄することですが、「財産放棄」は、既に自分の所有物である財産を放棄することです。今回のケースでは、祖父母の財産はまだ相続されていませんので、「相続放棄」が適切な選択肢です。

実務的なアドバイス：専門家への相談

相続放棄の手続きは、法律に精通した専門家（弁護士や司法書士）に依頼することを強くお勧めします。期限を守ること、必要な書類を揃えること、手続きの内容を正しく理解することは、専門家の知識と経験が不可欠です。また、固定資産税の滞納についても、専門家に相談することで、適切な対応策を検討できます。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続放棄は、期限が厳しく、手続きも複雑です。少しでも迷うようであれば、専門家に相談しましょう。間違った手続きをしてしまうと、後々大きな問題になる可能性があります。専門家は、状況を正確に判断し、最適な解決策を提案してくれます。

まとめ

祖父母の家の相続問題、特に老朽化した家屋と固定資産税の支払いは、相続放棄という選択肢によって解決できる可能性があります。しかし、相続放棄には期限があり、手続きも複雑なため、専門家への相談が不可欠です。早急に弁護士や司法書士に相談し、適切な手続きを進めることを強くお勧めします。相続放棄の期限を過ぎると、相続財産（この場合は老朽化した家屋と、もしかしたらわずかな現金）を受け継ぐことになり、固定資産税の負担も負うことになります。早めの行動が重要です。