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相続放棄と債務整理:亡父からの借金問題と兄弟間の葛藤

【背景】
* 七年前、父が亡くなりました。
* 父は農協に約2000万円の借金をしていました。
* 兄が父の相続人となり、その借金を返済しています。
* 最近、父名義のクレジットカードローン約180万円の借金が判明しました。
* 私は兄に自己破産を勧めていますが、兄は拒否しています。
* 私は兄に経済的な援助ができません。

【悩み】
兄は、2000万円の農協の借金に加え、新たに判明した180万円のクレジットカードローンを抱えています。兄は一生かけてでも返済すると主張しており、自己破産を拒否しています。兄の負担を減らす方法はないか、また、私自身もどうすれば良いのか悩んでいます。

相続放棄、債務整理の検討を。

相続放棄の検討

まず、ご質問の核心は、兄が相続した父の借金問題です。相続とは、亡くなった人の財産(プラスの財産)と負債(マイナスの財産、つまり借金)が相続人に引き継がれることです。兄は相続によって、父の借金も引き継いでしまったのです。しかし、相続は必ずしも受け継ぐ義務があるわけではありません。相続開始を知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に「相続放棄」の申述をすることができます(民法第915条)。相続放棄をすれば、父の借金を引き継ぐ必要がなくなります。ただし、相続放棄は、プラスの財産も放棄することになります。兄が既に2000万円の借金を返済している状況では、相続放棄によってプラスの財産があるとは考えにくいですが、念のため弁護士に相談することをお勧めします。

債務整理の可能性

相続放棄ができない、またはしない場合、兄は父の借金を返済する必要があります。しかし、返済が困難な場合は、債務整理という方法があります。債務整理には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  • 任意整理:債権者(貸金業者など)と直接交渉し、返済額や返済期間を減額・変更する手続きです。裁判所を介さずに行うため、比較的迅速に手続きを進めることができます。
  • 個人再生:裁判所を通じて、借金を減額し、再生計画に基づいて返済していく手続きです。住宅ローンなどの重要な債務を残したまま、他の借金を減額することができます。(※住宅ローンが残っている場合に有効です)
  • 自己破産:裁判所を通じて、借金を免除してもらう手続きです。多くの財産を失う可能性がありますが、借金から解放されることができます。

どの方法が最適かは、借金の額、種類、返済能力などによって異なります。兄の状況を弁護士に相談し、最適な方法を選択する必要があります。

関連する法律と制度

今回のケースでは、民法(相続に関する規定)、債務整理に関する法律(民事再生法、破産法)などが関係します。専門的な知識が必要となるため、弁護士などの専門家のサポートを受けることが重要です。

誤解されがちなポイント

「相続放棄は、すぐにできる」「債務整理は、借金を簡単に帳消しできる」といった誤解があります。相続放棄には期限があり、手続きも複雑です。債務整理も、全ての借金が免除されるわけではなく、手続きには時間と費用がかかります。

実務的なアドバイスと具体例

まず、兄に弁護士への相談を強く勧めてください。弁護士は、兄の状況を詳しく聞き取り、最適な解決策を提案してくれます。また、クレジットカードローンの返済については、弁護士が債権者と交渉し、返済計画を立ててくれます。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続や債務整理は、法律の専門知識が必要な複雑な手続きです。間違った手続きをしてしまうと、かえって状況が悪化してしまう可能性があります。そのため、弁護士などの専門家に相談することが非常に重要です。

まとめ

兄の抱える借金問題は、相続放棄、債務整理といった法律的な手続きによって解決できる可能性があります。しかし、これらの手続きは専門知識が必要なため、弁護士などの専門家に相談することが不可欠です。兄に、専門家への相談を促し、ご自身も状況を把握し、必要に応じてサポートを行うことが重要です。妊娠中であること、遠方に住んでいることを考慮し、兄への負担を軽減できるよう、弁護士や専門機関に相談しながら、適切な対応を検討しましょう。

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