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相続放棄と債権回収:田舎の自宅と700万円の借金、相続人の対応策

【背景】
* 父親が亡くなり、信用保証協会から約700万円の借金の督促状が届きました。
* 抵当権のない無担保ローンでした。
* 自宅は田舎にあり、不動産価値が80万円程度と低く評価されました。
* 相続人は長男(私)、長女、母の3人です。

【悩み】
* 価値の低い自宅が差し押さえ・競売されるか心配です。
* 母が自宅に住み続けていますが、相続放棄した場合、自宅は差し押さえられるでしょうか?
* 母が相続放棄せずに月5000円の返済を続けた場合、母の年金が差し押さえられるか心配です。

自宅の差し押さえは可能性あり、母のみ相続はリスク大。専門家相談を。

相続放棄と債権回収:基礎知識

まず、相続とは、被相続人(亡くなった方)の財産、権利、義務が相続人に引き継がれることです。相続財産には、預金や不動産だけでなく、借金も含まれます。今回のケースでは、700万円の借金が相続財産の一部となります。相続人は、相続開始(被相続人が亡くなった時)から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができます(民法第1000条)。相続放棄をすれば、借金を引き継ぐ必要がなくなりますが、同時に、相続財産を受け取る権利も放棄することになります。

今回のケースへの直接的な回答

(1) 自宅の価値が低くても、信用保証協会は債権回収のため、差し押さえ・競売を行う可能性があります。債権の額が自宅の価値を大きく上回っている場合、競売による回収額が少なくても、手続きを進めるケースが多いです。

(2) 母のみが相続した場合、700万円の借金が母の財産となります。月5000円の返済では、借金はほとんど減少しません。信用保証協会は、借金の返済がない場合、母の預金や年金を差し押さえる可能性があります。年金も差し押さえの対象となる可能性があります(民法第305条)。

関係する法律や制度

* **民法**: 相続、債権、債務に関する規定が定められています。
* **民事執行法**: 債権回収のための差し押さえ、競売の手続きが規定されています。
* **信用保証協会**: 借入金の保証業務を行う機関で、借主が返済不能になった場合、保証協会が債権者(銀行など)に代わって回収を行います。

誤解されがちなポイントの整理

相続放棄は、借金を免れる有効な手段ですが、全ての相続財産を放棄することになります。自宅に強い思い入れがあっても、相続放棄を選択した場合、自宅も放棄することになります。また、相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。期限を過ぎると、相続放棄ができなくなります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

相続放棄を検討する前に、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家は、相続財産の状況、債権の額、相続人の状況などを考慮し、最適な解決策を提案してくれます。例えば、相続財産全体を評価し、借金を差し引いた残りの財産がどの程度あるのかを精査します。また、相続税の申告や、債権者との交渉についてもアドバイスを受けることができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースのように、借金が相続財産を大きく上回る場合、相続放棄の是非、手続きの方法、債権者との交渉など、専門家のアドバイスが不可欠です。複雑な法律問題を理解し、適切な手続きを進めるためには、専門家の知識と経験が不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 価値の低い不動産でも、債権回収のため差し押さえ・競売される可能性があります。
* 相続放棄は借金から逃れる有効な手段ですが、全ての相続財産を放棄することになります。
* 母のみ相続を選択すると、借金と年金の差し押さえのリスクが高まります。
* 弁護士や司法書士への相談が、最適な解決策を見つけるために非常に重要です。

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