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相続放棄と名義変更:兄弟間の遺産相続と費用負担の落とし穴

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家の維持費や光熱費などの費用負担について、兄が「名義変更していないから関係ない」と支払いを拒否しています。私は母を介護しながら生活しているので、費用負担を兄と折半したいと考えていますが、兄は応じてくれません。名義変更をしていないと、本当に費用負担の義務がないのでしょうか?兄弟間での遺産相続と費用負担について、法律的な観点から教えていただきたいです。
まず、相続(そうぞく)とは、亡くなった人の財産(家や預金など)が、法律に基づいて相続人(法律で決められた相続する権利のある人)に引き継がれることです。 相続人は、配偶者、子、親などです。今回のケースでは、お父様の相続人は、お母様、質問者様、お兄様の3人となります。
名義変更とは、不動産の所有者(所有権者)の名前を変える手続きです。 相続によって財産を相続したとしても、名義変更の手続きをしないと、法的な所有者は変わりません。 名義変更は、登記(不動産の所有権を公的に記録すること)をすることで行われます。
お兄様は、名義変更がされていないことを理由に費用負担を拒否されていますが、それは法律的に正しいとは言えません。 お父様の相続が完了しているにも関わらず、名義変更がされていないだけで、お兄様は相続人として、家の維持費や光熱費などの費用負担義務を負っています。 相続放棄(相続権を放棄すること)をしていない限り、相続財産である家の維持費を負担する責任があります。
このケースに関係する法律は、民法(特に相続に関する規定)です。民法では、相続人の相続分(相続財産をどのように分けるか)や、相続放棄の手続きなどが規定されています。 また、相続財産の管理や維持については、相続人全員が責任を負うとされています。
「名義変更をしていないから関係ない」というお兄様の主張は、よくある誤解です。名義変更は、所有権の移転を公的に証明する手続きであり、所有権そのものを否定するものではありません。 相続が成立していれば、名義変更がされていなくても、相続人は相続財産に対する権利と義務を負います。
まず、お父様の遺産分割協議(相続人同士で相続財産をどのように分けるかを決める協議)を行いましょう。 協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。 遺産分割協議または調停において、家の維持費の負担割合を決めることが重要です。 例えば、お母様の生活費を考慮し、3人で費用を負担する割合を決めるなどが考えられます。
遺産分割協議が難航したり、相続に関する法律的な知識が不足している場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、紛争の解決を支援してくれます。特に、相続放棄の有無や、相続税の申告など、複雑な手続きをスムーズに進めるために専門家のサポートは不可欠です。
名義変更がされていないからといって、相続財産に対する費用負担義務がないわけではありません。相続放棄をしていない限り、相続人は相続財産を維持・管理する責任があります。 遺産分割協議を行い、費用負担割合を明確にすることが重要です。 必要に応じて、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 スムーズな相続手続きを進めるためには、早めの行動が大切です。
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