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相続放棄と自宅の相続:親の借金と不動産の行方

【背景】
父が亡くなりました。父は生前に借金を抱えており、その額は相当なものです。母は既に他界しています。私は父から相続する財産として、自宅以外に特に価値のあるものはないと思っています。

【悩み】
父の借金を相続したくありません。相続放棄をすれば、父の借金は免除されますが、父名義の自宅も債権者(借金相手)のものになってしまうのでしょうか?そうなると、私は自宅を追い出されてしまうのでしょうか?相続放棄の手続きについて、詳しく教えてください。

相続放棄をしても、自宅はすぐに債権者のものにはなりません。状況によりますが、手続き次第で自宅に住み続けられる可能性があります。

相続放棄と債権者の権利

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続人が引き継ぐことです。借金も財産の一部なので、相続の対象となります。相続人は、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができます(民法第915条)。

相続放棄とは、相続人が相続権を放棄することです。相続放棄をすると、被相続人の財産(プラスの財産とマイナスの財産、つまり資産と負債の両方)を一切相続しません。つまり、借金も相続せず、責任を負う必要がなくなります。

今回のケースにおける相続放棄と自宅の扱い

質問者様のお父様のケースでは、相続放棄をしても、すぐに自宅が債権者のものになるわけではありません。 相続放棄は、相続開始(お父様の死亡)時点から遡及して効力を生じます(民法第916条)。つまり、相続放棄をした時点から、相続人である質問者様は、最初から相続人ではなかったとみなされます。

しかし、相続放棄によって、自宅は相続財産として扱われなくなります。 この場合、自宅は相続財産として、債権者に対して相続財産を差し押さえられる可能性があります。

関係する法律:民法と債権回収法

この問題には、民法(特に相続に関する規定)と債権回収法が関係します。民法は相続の基礎となる法律で、相続放棄の手続きや効力などを規定しています。債権回収法は、債権者による債権回収の方法を定めています。債権者は、相続放棄後、相続財産(この場合は自宅)を差し押さえ、売却して借金の回収を試みます。

誤解されやすい点:相続放棄の即時効力

相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があるため、すぐに効力が生じるように思われがちです。しかし、実際には、家庭裁判所が相続放棄の申述を受理し、決定が確定してから効力が生じます。この間、債権者による差し押さえが行われる可能性があります。

実務的なアドバイス:迅速な手続きと専門家への相談

相続放棄は、迅速な手続きが重要です。相続開始を知った後、すぐに弁護士や司法書士に相談し、相続放棄の手続きを進めることをお勧めします。 また、自宅の状況(抵当権の有無など)を把握し、債権者との交渉なども必要になる可能性があります。

専門家に相談すべき場合

借金の額が大きく、自宅の価値が借金よりも低い場合、相続放棄だけでは解決できない可能性があります。 また、債権者との交渉が複雑な場合や、相続手続きに不慣れな場合も、専門家(弁護士や司法書士)に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスと手続きのサポートをしてくれます。

まとめ:相続放棄は万能ではない

相続放棄は、借金を相続したくない場合に有効な手段ですが、自宅の所有権を自動的に放棄するものではありません。 相続放棄後も、債権者による自宅の差し押さえの可能性があることを理解し、迅速な手続きと専門家への相談が重要です。 状況によっては、相続放棄以外の解決策(例えば、債権者との交渉による借金減額など)も検討する必要があるかもしれません。 まずは、専門家に相談し、最適な解決策を見つけることが大切です。

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