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相続放棄と賃貸物件の家賃滞納:保証人の責任と解決策

【背景】
* 母が亡くなり、弟の賃貸物件の保証人になっていたことが判明しました。
* 弟は生活保護受給者で、家賃の支払いをしていません。
* 母からの相続財産は借金だけで、預金や不動産はありません。

【悩み】
弟の家賃滞納分について、私と父にも支払う義務があるのか知りたいです。また、相続放棄した場合、家賃滞納分はどうなるのか教えてください。

相続放棄後も保証債務は残ります。家賃滞納分は、相続放棄後もあなたと父親に請求されます。

相続放棄と保証債務の関係

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産や債務が相続人(法律上の相続権を持つ人)に引き継がれることです。 相続財産には、預金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産(債務)も含まれます。 今回のケースでは、母が弟の賃貸物件の保証人になっていたため、弟の家賃滞納分は母の債務となります。

今回のケースへの直接的な回答

母が亡くなったことで、その債務は相続人であるあなたと父親に引き継がれます(民法885条)。相続放棄をしても、すでに発生している債務、つまり家賃滞納分は免除されません。 保証人としての債務は、相続開始(母が亡くなった時点)前に発生したものであり、相続放棄は将来発生する債務に対する責任を免れるための制度です。 すでに発生している債務については、相続放棄をしても、相続人が責任を負うことになります。

保証契約と連帯保証責任

賃貸借契約における保証人は、通常「連帯保証人」です(連帯保証人とは、借主(この場合は弟)と共に、家賃の支払いを連帯して責任を負う人です)。 借主が家賃を滞納した場合、家主は借主だけでなく、連帯保証人にも家賃の支払いを請求できます。 家主は、どちらか一方からでも全額の支払いを求めることができます。

誤解されがちなポイントの整理

多くの方が「相続放棄すれば、全ての債務から解放される」と誤解しがちです。しかし、相続放棄は、相続開始後の将来発生する債務を免除する制度であり、すでに発生している債務については、相続放棄しても責任を負う必要があります。 今回のケースでは、家賃滞納という債務は既に発生しているため、相続放棄しても、あなたと父親は家賃滞納分を支払う責任を負います。

実務的なアドバイスと具体例の紹介

まずは、家主と話し合い、滞納家賃の支払い方法について交渉することが重要です。分割払いなどの可能性を探ることもできます。 また、弟に家賃の支払いを促すことも必要です。生活保護を受けているからといって、家賃の支払いを免除されるわけではありません。生活保護費の中から家賃を支払うよう促す必要があります。 交渉が難航する場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。

専門家に相談すべき場合とその理由

家主との交渉がうまくいかない場合、または、家賃滞納額が大きく、支払いが困難な場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律的な知識に基づいて、あなたにとって最善の解決策を提案してくれます。 また、債務整理などの手続きが必要になる場合もあります。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 相続放棄は、相続開始後の将来発生する債務を免除する制度です。
* 既に発生している債務(今回の家賃滞納分)は、相続放棄後も相続人が責任を負います。
* 家主との交渉、弟への働きかけ、そして必要に応じて専門家への相談が重要です。
* 連帯保証人の責任は大きく、安易に保証人になるべきではありません。

この説明が、あなたの疑問を解消する助けになれば幸いです。 複雑な問題ですので、専門家への相談も検討してみてください。

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