• Q&A
  • 相続放棄の期限を過ぎても、まだできることがある?1億円超の遺産相続問題

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

相続放棄の期限を過ぎても、まだできることがある?1億円超の遺産相続問題

【背景】
* 父が亡くなり、遺言書(公正証書)により、母と弟が全遺産(不動産中心、総額1億円以上)を相続しました。
* 私と妹は遺言書に記載がなく、遺産を全く相続していません。
* 法定相続分請求の時効が1年と聞いたため、2年経過した現在、諦めかけています。

【悩み】
遺言書の内容に納得できず、怒りがこみ上げてきます。法定相続分請求の時効を過ぎている今、何かできることはあるのでしょうか?

時効は過ぎている可能性が高いですが、状況によっては他の方法があります。

相続放棄と法定相続分の違い

まず、相続の基礎知識を整理しましょう。相続とは、亡くなった人の財産(不動産、預金、有価証券など)が、法律に基づいて相続人に引き継がれることです。

相続人には、配偶者、子、親など、法律で定められた順位があります(民法第886条)。この順位に基づき、相続財産が分配されるのが「法定相続分」です。

今回のケースでは、遺言書が存在します。遺言書は、法律で認められた範囲内で、相続人の相続分を自由に決められます。しかし、遺言書の内容に問題があれば、無効になる可能性があります。

質問者様は、法定相続分請求の時効についてお聞きになっていますが、これは遺言がない場合、または遺言の内容に不服がある場合に、法定相続分を請求できる制度です。しかし、遺言書の内容が有効であれば、法定相続分請求はできません。

今回のケースへの回答

残念ながら、法定相続分請求の1年の時効は、既に経過している可能性が高いです。しかし、だからといって諦める必要はありません。

遺言書の内容に問題がないか、検討する必要があります。例えば、遺言能力(遺言を作成する能力)がなかった、または遺言に不正があった場合、その遺言は無効と判断される可能性があります。

遺言の無効を主張できるケース

遺言が無効となるケースはいくつかあります。

* **遺言能力がない場合:** 認知症などで、自分の意思を理解できない状態(心神喪失)で作成された遺言は無効です。
* **遺言の強要・詐欺・脅迫があった場合:** 誰かに脅されたり、騙されたりして作成された遺言は無効です。
* **錯誤(まちがい)があった場合:** 例えば、相続財産を間違えて記載していた場合など。
* **形式上の欠陥があった場合:** 公正証書遺言であっても、作成手続きに不備があれば無効となる可能性があります。

誤解されがちなポイント:相続放棄

相続放棄は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することで、相続を放棄できます。質問者様は、相続放棄の期限を過ぎている可能性が高いです。しかし、相続放棄と法定相続分請求は別物です。

実務的なアドバイス

まずは、遺言書の原本を確認し、内容を詳細に検討する必要があります。遺言書の内容に疑問点があれば、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、遺言書の内容が有効かどうかを判断し、必要に応じて裁判を起こす手続きを支援してくれます。

専門家に相談すべき場合

今回のケースのように、高額な遺産と複雑な事情が絡む相続問題では、専門家の助けが不可欠です。弁護士に相談することで、法的観点からの適切なアドバイスを受け、最善の解決策を見つけ出すことができます。

まとめ

法定相続分請求の時効を過ぎたとしても、遺言書の内容に問題があれば、その遺言は無効とされる可能性があります。専門家である弁護士に相談し、遺言書の有効性や、今後の対応について検討することが重要です。1億円を超える遺産相続に関わる問題ですので、早急に専門家のサポートを受けることをお勧めします。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop