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相続放棄後の不動産と固定資産税:相続人が誰もいない場合との違いと手続き
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相続放棄した場合、不動産の固定資産税はどうなるのか心配です。相続人がいない場合と同様の手続きで、国庫帰属になるのでしょうか?その場合、当面の固定資産税の支払いは誰が負担するのか、手続きはどうすれば良いのかを知りたいです。
相続放棄とは、相続人が相続財産を受け継ぐことを放棄することです(民法第900条)。相続財産に負債が多い場合などに利用されます。相続放棄の手続きは、家庭裁判所に対して行います。相続人が全員相続放棄した場合、相続財産は原則として国庫に帰属します。しかし、相続放棄と国庫帰属は別の手続きです。相続放棄は相続人が行う手続きであり、国庫帰属は相続財産が国に帰属する状態です。
相続人が全員相続放棄した場合、不動産の所有権は一時的に「所有者不明」の状態になります。この状態でも、固定資産税は発生し続けます。納税義務者が明確でないため、税務署は当面、固定資産税を徴収できません。そのため、固定資産税は滞納状態となります。しかし、放置すると延滞金が発生し、最終的には不動産の競売につながる可能性があります。
固定資産税の徴収は、地方税法に基づいて行われます。地方税法では、固定資産税の納税義務者は「固定資産の所有者」と定められています。相続放棄後、所有者不明の状態では、納税義務者が不在となります。しかし、税金そのものは消滅しません。
相続放棄をすれば、全ての税金が消滅する、と誤解している方が多いです。しかし、相続放棄は相続財産を受け継がないという意思表示であって、税金の発生自体をなくすものではありません。相続放棄後も、相続開始時点(被相続人が亡くなった時点)までの税金は、相続財産から支払われます。相続開始後の税金については、所有者不明状態が解消されるまで、滞納状態となります。
相続放棄後、固定資産税の滞納を防ぐためには、速やかに国庫帰属の手続きを進めることが重要です。国庫帰属の手続きは、相続放棄が確定した後、所轄の法務局に対して行います。国庫帰属が完了すれば、国が所有者となり、固定資産税の納税義務者となります。手続きには一定の期間を要するため、早めの対応が必要です。
相続財産に多額の負債があったり、複数の不動産が含まれていたり、相続人が多数いるなど、相続が複雑な場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、相続放棄の手続きや国庫帰属の手続き、固定資産税の処理などについて適切なアドバイスをしてくれます。
相続放棄後、不動産の固定資産税は、国庫帰属が完了するまで滞納状態となります。滞納を防ぎ、不利益を避けるためには、相続放棄後速やかに国庫帰属の手続きを進めることが重要です。複雑なケースでは、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。相続手続きは複雑なため、専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな手続きを進めることができます。
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