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相続放棄後の土地建物、固定資産税を払う親族は住む人に請求できる?

【背景】

  • 父Aが亡くなり、息子BとCが土地と建物を相続しました。
  • Bの息子Fは、その土地と建物に長年住んでいます(名義は父Aのまま)。
  • Bは多額の借金を残して亡くなり、親族全員が相続放棄しました。
  • Fは相続放棄後も約2年間、その土地と建物に住み続けました。
  • CはFと賃貸契約を結んでおらず、家賃も受け取っていません。

【悩み】

現在、固定資産税はCに請求されています。CはFに対して、この固定資産税を請求できるのでしょうか?また、Fが支払いを断れない方法はあるのでしょうか?

CはFに固定資産税相当額を請求できる可能性があります。請求を確実にするには、法的根拠と証拠の準備が重要です。

固定資産税の支払い義務と、今回のケースの基礎知識

固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人に課せられる税金です。毎年1月1日時点での所有者に対して、その年の税金が課税されます。

今回のケースでは、父Aが亡くなった後、息子BとCが相続しましたが、Bが亡くなり、親族全員が相続放棄をしたため、最終的に誰が固定資産税を払うべきか、という問題が生じています。

相続放棄をすると、その相続に関しては、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。つまり、Bは相続放棄をしたことで、土地と建物の所有者ではなくなったということです。

しかし、固定資産税の請求は、1月1日時点での名義人に対して行われるため、名義が父Aのままであれば、本来は相続人に対して請求が行われるはずです。相続放棄があった場合、最終的には、誰がその固定資産税を負担するのか、という問題が残ります。

CがFに固定資産税を請求できる可能性

CがFに対して固定資産税相当額を請求できる可能性はあります。それは、Fが土地と建物を「使用・収益」していたという事実があるからです。

民法では、所有者はその所有物を自由に利用したり、そこから利益を得る権利(使用・収益)を持つとされています。もし、所有者ではないFが土地や建物を使用していた場合、CはFに対して、不当利得返還請求(民法703条)を行うことができる可能性があります。

不当利得とは、法律上の根拠なく利益を得て、他人に損失を与えた場合に、その利益を返還しなければならないという考え方です。今回のケースでは、Fが土地や建物を無償で使用することで利益を得て、Cが固定資産税を支払うことで損失を被っていると解釈できます。

したがって、CはFに対して、Fが土地や建物を使用していた期間に対応する固定資産税相当額を請求できる可能性があります。

関係する法律と制度

今回のケースで関係する主な法律は以下の通りです。

  • 民法939条(相続放棄の効果):相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったものとみなされる。
  • 民法703条(不当利得):法律上の根拠なく利益を得て、他人に損失を与えた場合、その利益を返還しなければならない。

固定資産税に関しては、地方税法が関係しますが、ここでは詳細な説明は省きます。

誤解されがちなポイント

このケースで誤解されがちなのは、相続放棄をしたからといって、自動的に固定資産税の支払い義務がなくなるわけではないという点です。また、無償で住んでいたから、家賃相当額を請求されないというわけでもありません。

相続放棄は、相続人が相続する権利を放棄するものであり、固定資産税の支払い義務とは別の問題として考えられます。固定資産税は、あくまでもその年の1月1日時点での名義人に対して課税されるものです。

また、無償で住んでいたとしても、土地や建物の使用という利益を得ている以上、不当利得として、その利益相当額を請求される可能性があります。

実務的なアドバイスと具体例

CがFに対して固定資産税相当額を請求する場合、以下の点を考慮する必要があります。

  • 証拠の収集:Fが土地や建物を使用していたことを証明するための証拠が必要です。例えば、Fがそこに住んでいたことを示す住民票や、光熱費の請求書などです。
  • 内容証明郵便の送付:まずは、内容証明郵便でFに対して、固定資産税相当額の支払いを求める通知を送付することが有効です。これにより、請求の事実を明確にし、後の裁判になった場合の証拠にもなります。
  • 話し合い:内容証明郵便を送付した後、Fと話し合い、解決を目指すのが一般的です。
  • 法的手段:話し合いで解決できない場合は、裁判所に訴訟を提起し、固定資産税相当額の支払いを求めることになります。

具体例として、もしFが2年間その土地と建物に住み、その間の固定資産税が合計で40万円だったとします。CはFに対し、この40万円を請求できます。ただし、Fが土地や建物の使用によって得た利益が、40万円に満たないと判断された場合は、減額される可能性もあります。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースでは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家に相談することで、以下のメリットがあります。

  • 法的アドバイス:専門家は、法的観点から、今回のケースにおけるCの権利や、請求の可能性についてアドバイスをしてくれます。
  • 書類作成:内容証明郵便の作成や、裁判になった場合の訴状の作成など、専門的な書類作成をサポートしてくれます。
  • 交渉:Fとの交渉を代行してくれます。
  • 裁判:裁判になった場合、代理人として法廷に立つことができます。

特に、Fが支払いを拒否した場合や、請求額について争いがある場合は、専門家のサポートが不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

今回のケースでは、以下の点が重要です。

  • Cは、相続放棄後の土地建物に住んでいたFに対し、固定資産税相当額を請求できる可能性があります。
  • 請求の根拠は、Fが土地建物を「使用・収益」していたことによる不当利得返還請求です。
  • 証拠の収集や、専門家への相談が、請求を成功させるために重要です。
  • 相続放棄をしたからといって、固定資産税の支払い義務がなくなるわけではありません。

固定資産税の問題は、複雑で、様々な状況によって判断が変わる可能性があります。必ず専門家にも相談し、適切な対応をとるようにしましょう。

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