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相続放棄後の相続権:両親の預金相続と相続放棄の落とし穴
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おすすめ3社をチェックまず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続人が承継することです。相続財産には、預金、不動産、有価証券など様々なものが含まれます。相続人は、法律で定められた順位に従って相続権を持ちます。今回のケースでは、ご両親が亡くなった際に、相続人となるのは質問者様と弟さんの兄弟2名と、ご両親の配偶者(お母様)です。
相続放棄とは、相続人が相続権を放棄することです。相続放棄をすると、相続財産を受け継ぐ権利だけでなく、相続債務(被相続人の借金など)も負わないことになります。(民法第900条)
質問者様と弟さんが父親の相続を放棄した場合、父親の預金は全て母親に相続されます。これは、相続放棄によって質問者様と弟さんの相続権が消滅するのではなく、相続順位が繰り上がって母親が相続することになるからです。
その後、母親が亡くなった場合、父親の相続放棄は母親の相続には影響しません。質問者様と弟さんは、母親の相続人として、母親の預金を相続する権利を持ちます。
相続放棄には、重要な注意点があります。それは、相続開始を知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければならないという期限です。(民法第915条)この期限を過ぎると、相続放棄ができなくなります。
また、相続放棄は、家庭裁判所への申述という手続きが必要です。単に「放棄する」と宣言するだけでは、法律上有効な放棄とはなりません。
相続放棄は、相続権を「消滅」させるものではありません。相続権を放棄しただけで、相続財産を承継する権利を失うだけです。 相続放棄は、あくまでも「その時点での相続財産」に関する権利の放棄です。 親御さんのどちらかが亡くなった後に、残された配偶者(お母様)が新たに所有者となった財産については、その後にその方が亡くなった際に、改めて相続が発生します。
相続放棄を検討する際には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。相続放棄の手続きは複雑で、期限も厳格に定められているため、専門家の適切なアドバイスを受けることが重要です。特に、相続財産に借金が含まれている場合などは、専門家の助言なしに判断するのは危険です。
相続財産に借金がある場合、相続財産の内容が複雑な場合、相続人同士で争いがある場合などは、専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切な手続きを案内し、トラブルを回避するお手伝いをしてくれます。
相続放棄は、一度行うと取り消すことができません。そのため、相続放棄をするかどうかは、十分に検討する必要があります。相続財産の内容、相続人の状況などを考慮し、必要に応じて専門家に相談しながら、慎重に判断しましょう。 今回のケースでは、父親の相続放棄は、母親の相続や、その後質問者様と弟さんの相続に影響を与えません。 しかし、相続放棄は複雑な手続きなので、専門家のアドバイスを受けることを強くおすすめします。
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