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相続放棄後の空き家管理:兄弟姉妹全員放棄でどうなる?徹底解説

相続を放棄した空き家の管理責任について質問です。法定相続人が兄弟姉妹のみで、全員が相続を放棄したら、空き家等の不動産を処分する管理責任は誰が負うことになりますか?

【背景】
* 父親が亡くなり、相続が発生しました。
* 父親の遺産には、空き家を含む不動産があります。
* 兄弟姉妹全員で話し合った結果、相続放棄をすることにしました。

【悩み】
相続放棄をしたら、空き家の管理はどうなるのか不安です。誰が管理責任を負うのか、また、空き家の処分はどうすればいいのか分からず困っています。

地方公共団体(市町村)になります。

相続放棄と空き家の管理責任

相続放棄とは何か?

相続放棄とは、相続人が相続開始(被相続人が亡くなった時点)から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述(申し立て)を行い、相続財産を受け継がない意思表示をすることです。相続財産には、不動産だけでなく、預金や債務なども含まれます。相続放棄をすると、相続財産を受け継がないだけでなく、相続債務(被相続人の借金など)も負う必要がなくなります。

相続放棄後の空き家の帰属

兄弟姉妹全員が相続放棄した場合、空き家は相続人がいない状態になります。この状態を「無相続」といいます。無相続になった場合、原則として空き家は国庫に帰属することになります。しかし、実際には、地方公共団体(市町村)が管理・処分することになります。これは、国庫への帰属手続きが煩雑であるため、地方公共団体が実務的に管理・処分を行うことが一般的だからです。

地方公共団体による管理と処分

地方公共団体は、無相続となった空き家について、適切な管理を行う義務を負います。具体的には、建物の老朽化防止のための修繕、不法投棄の防止、近隣住民への迷惑防止などの措置を講じます。また、必要に応じて、空き家の売却や解体などの処分を行います。この処分には、一定の手続きが必要となります。

関係する法律・制度

相続放棄に関する手続きは、民法(特に民法第915条~第918条)に規定されています。また、空き家の管理・処分については、各自治体の条例や、空き家対策に関する法律(空き家対策特別措置法)が関係してきます。空き家対策特別措置法は、放置された空き家による様々な問題を解決するために制定された法律で、市町村に空き家の管理や処分に関する権限を与えています。

誤解されがちなポイント

相続放棄をすれば、空き家の管理責任から完全に解放される、と誤解している人がいます。しかし、相続放棄は相続財産を受け継がないという意思表示であって、空き家の管理責任を放棄するものではありません。空き家の管理責任は、無相続となった場合、地方公共団体に移転します。

実務的なアドバイス

相続放棄の手続きは、期限(相続開始から3ヶ月以内)が厳格に定められています。期限を過ぎると、相続放棄ができなくなってしまうので、専門家(弁護士や司法書士)に相談して、迅速な手続きを進めることが重要です。また、空き家に関する問題が発生した場合、地方公共団体に相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。

専門家に相談すべき場合

相続放棄や空き家の管理・処分に関する手続きは、法律の知識が必要となる複雑な手続きです。少しでも不安な点があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、相続財産に高額な不動産が含まれている場合や、相続人に未成年者がいる場合などは、専門家のアドバイスが不可欠です。

まとめ

兄弟姉妹全員が相続放棄した場合、空き家の管理責任は地方公共団体(市町村)に移ります。相続放棄の手続きには期限があり、複雑な手続きも含まれるため、専門家への相談が重要です。放置すると、様々な問題を引き起こす可能性があるため、早めの対応が必要です。

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