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相続放棄後10年…母の死後、父の不動産相続はどうなる?複雑な相続手続きの全貌

【背景】
* 私の嫁の父親が10年前に亡くなりました。
* 土地と建物(不動産)は父親名義のままです。
* 父親の妻(私の嫁の母親)は、相続手続きをせずに10年間経過しています。
* 母親が亡くなった場合、不動産の相続はどうなるのか心配です。

【悩み】
母親が亡くなった後、父親の不動産を相続するにはどのような手続きが必要なのでしょうか?相続税は発生するのでしょうか?複雑な手続きに不安を感じています。

母の死後、相続放棄の取り消し手続きを経て、相続開始手続きが必要です。

相続放棄と相続開始

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が相続人(法律上の相続権を持つ人)に引き継がれることです。今回のケースでは、嫁の父親が被相続人、嫁の母親と嫁が相続人です。

相続が発生した時、相続人は相続財産を受け入れるか、相続を放棄するかを選択できます。相続放棄とは、相続権を放棄することで、財産を受け継がない代わりに、債務も負わないという制度です(民法第900条)。

嫁の母親は10年間相続手続きをしていませんでしたが、これは相続放棄をしたとは限りません。単に手続きを怠っていた可能性もあります。相続放棄には、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります(民法第915条)。10年も経過している場合、相続放棄は既に不可能な可能性が高いです。

もし、母親が相続放棄をしていなかった場合、母親が亡くなった時点で、父親の不動産の相続が開始されます。この時、母親の相続人(嫁とその兄弟姉妹など)が、父親の不動産を相続することになります。

母の死後の相続手続き

母親が亡くなった場合、まず相続開始の手続きが必要です。これは、戸籍謄本などを用いて、相続人の確定を行う手続きです。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を決める協議)を行い、不動産の相続方法を決める必要があります。

もし、母親が相続放棄をしていなかった場合、相続開始後、相続税の申告が必要となる可能性があります。相続税は、相続財産の評価額から基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。不動産の評価額は、路線価や不動産鑑定士による鑑定に基づいて決定されます。

相続放棄を取り消せるか?

10年間放置されていた場合でも、相続放棄を取り消せる可能性は、原則としてありません。相続放棄は、一度行うと取り消すことが非常に困難です。しかし、例外的に、相続放棄をした後に、相続財産に有利な状況の変化(例えば、借金が減ったなど)があった場合、裁判所が相続放棄の取り消しを認める可能性があります。

遺産分割協議

相続人が複数いる場合、遺産分割協議が必要となります。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でもまとまらない場合は、裁判による解決となります。

関係する法律

* 民法(相続に関する規定)
* 相続税法

誤解されがちなポイント

相続放棄は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に行わなければなりません。10年経過している場合は、既に相続放棄はできない可能性が高いです。また、相続放棄は、財産だけでなく、債務も放棄できることを理解しておく必要があります。

実務的なアドバイス

相続手続きは複雑で、専門知識が必要です。相続税の申告や遺産分割協議など、専門家のサポートを受けることを強くお勧めします。税理士や弁護士などの専門家に相談することで、スムーズな手続きを進めることができます。

専門家に相談すべき場合

* 相続財産に高額な不動産が含まれる場合
* 相続人に複数の者がいる場合、特に相続人間で争いがある場合
* 相続税の申告が必要となる場合
* 相続放棄に関する手続きに不安がある場合

まとめ

母親が亡くなった後の相続手続きは、母親が相続放棄をしていたか否かで大きく変わります。10年間放置されていた場合、相続放棄を取り消すのは非常に困難です。そのため、まずは、専門家(税理士、弁護士)に相談し、現状を正確に把握し、適切な手続きを進めることが重要です。複雑な手続きを一人で抱え込まず、専門家の力を借りて、円滑な相続を進めましょう。

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