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相続時、同居者の居住権と固定資産税の負担:高齢者の居住と相続税の負担について

【背景】
* 70歳男性が相続人の代表として、司法書士に依頼し、家屋と土地の3分割相続手続きを進めています。
* 被相続人の妻(70歳、認知症で施設入所予定)と長女(80歳)が相続対象の建物に同居しています。
* 分割協議書には、妻が施設入所または死亡するまで無償で居住できる旨が記載されています。

【悩み】
相続手続きを進める中で、妻が居住している間は家賃は取れませんが、固定資産税の負担は妻に求めることはできるのかどうか、判断に迷っています。不動産以外の遺産は既に相続済みで、経済的な余裕はあります。

固定資産税は、居住者に負担を求めることができます。

相続と居住権:基礎知識

相続とは、被相続人が亡くなった際に、その財産が相続人に引き継がれる制度です。今回のケースでは、家屋と土地が相続財産となります。相続財産の分割方法は、相続人同士の協議(相続分分割協議)によって決定されます。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の審判を申し立てることができます。

分割協議書に記載されている「無償で居住することを認める」部分は、妻に対する居住権(所有権とは異なる、不動産を使用する権利)を認めたものと解釈できます。居住権は、所有者(この場合は相続人3名)の承諾を得て設定される権利です。所有者は、居住権者に家賃を請求することはできません。

今回のケースへの回答

質問者様の考えは正しいです。居住権は、土地や建物を無償で使用できる権利を与えるものであり、家賃の支払義務を免除するものです。しかし、固定資産税は、土地や建物を所有している者に課税される税金です。所有者は、居住権の有無に関わらず、固定資産税を納付する義務を負います。したがって、妻が居住しているからといって、固定資産税の負担を免除する義務は質問者様にはありません。

関係する法律と制度

関係する法律としては、民法(相続、居住権)、地方税法(固定資産税)が挙げられます。民法では、相続と居住権に関する規定が定められており、地方税法では、固定資産税の納税義務者が明確にされています。

誤解されがちなポイント

居住権があるからといって、固定資産税の負担まで免除されると誤解されるケースがあります。居住権は使用権であり、所有権とは異なります。所有権には、固定資産税の納税義務が含まれます。

実務的なアドバイスと具体例

妻に固定資産税の負担を求めるには、分割協議書にその旨を明記するか、別途合意書を作成することをお勧めします。具体的には、「被相続人の妻は、本建物への居住権を有するが、固定資産税は相続人3名で按分して負担する」といった内容を明記します。

経済的な余裕があるとのことですが、固定資産税の負担割合について、兄弟間で話し合い、公平な負担割合を決定することが重要です。例えば、3分の1ずつ負担する、もしくは、経済状況に応じて負担割合を変えるといった方法も考えられます。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴うため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、遺産分割協議が難航する場合や、税金に関する専門的な知識が必要な場合は、司法書士や税理士に相談することをお勧めします。

まとめ

居住権は家賃を免除する権利ですが、固定資産税の納税義務とは別物です。相続人である質問者様は、固定資産税の負担を妻に求めることができます。しかし、兄弟間での話し合いと、必要に応じて専門家への相談が重要です。公平な負担割合を決め、円滑な相続手続きを進めましょう。

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