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相続時における建物付宅地の評価方法:兄弟間の遺産分割協議での注意点

【背景】
父が亡くなり、兄と私の2人で相続することになりました。遺産は、兄と兄の妻が5:5の持ち分で所有する家が建つ父名義の宅地のみです。遺産分割協議を行うため、宅地の価格を決めなければなりません。

【悩み】
宅地の評価方法について、法律に準拠した方法で決めたいと考えています。特に、建物のある土地の評価方法、建付地(建物と土地の所有者が同一人の土地)の扱い、共有状態にある土地の評価方法、兄夫婦が建物を所有していることの影響などが分からず困っています。

更地価格から建付減価、使用貸借減価、共有減価を考慮した評価が必要です。

1. 相続財産評価の基本と建付地の定義

相続財産の評価は、相続税法に基づいて行われます。相続税法では、相続財産の価額を時価(売買された場合に相当すると認められる価格)で評価するとしています。土地の評価は、一般的に路線価(国税庁が公表する土地の価格)や類似地の取引事例などを参考に算出されます。

建付地とは、質問者様の理解の通り、建物と土地の所有者が同一人の土地のことを指します。 建物と土地の所有者が異なる場合は、底地(土地)と地上権(建物を建てる権利)に分かれて評価されます。

2. 今回のケースにおける建付地の扱い

質問者様のケースでは、5年前に父所有の家が解体され、その後兄夫婦名義の建物が建てられました。そのため、現在、土地は父名義、建物は兄夫婦名義という状態です。この場合、厳密には建付地ではありません。土地と建物の所有者が異なるため、土地と建物の評価を別々に行う必要があります。

3. 建付地と非建付地の評価方法の違い

建付地の場合、建物が土地の価格に影響を与えます。具体的には、建物の老朽化や種類によって、更地価格から減価修正(建付減価)が行われます。堅固な建物であれば約2割、非堅固な建物であれば約1割の減価が考慮されることが多いです。

今回のケースのように、建物の所有者が土地の所有者と異なる場合は、建付減価は適用されません。土地の評価は、更地価格を基準に行います。ただし、建物が土地の価格に影響を与える可能性はあります。例えば、建物が老朽化している場合、土地の価値が下がる可能性があります。

4. 使用貸借減価と共有減価について

質問にある「使用貸借減価」は、土地を無償で貸している場合に、その土地の価値が下がることを考慮した減価です。質問者様のケースでは、兄夫婦が土地を使用している状態ですが、それが無償かどうかが重要です。無償であれば、使用貸借減価が考慮されます。有償であれば、その賃借料を考慮して評価する必要があります。

共有状態にある土地は、共有持分に応じて評価されます。共有状態自体が土地の価値を下げるという「共有減価」は、必ずしも認められるものではありません。ただし、共有状態が売買を困難にするなど、市場価値に影響を与える可能性はあります。

5. 兄夫婦の建物所有の影響

兄夫婦が建物を所有していることは、土地の評価に直接的な影響を与えませんが、遺産分割協議においては重要な要素となります。土地と建物の評価を別々に行い、それぞれの持分を考慮して遺産分割協議を進める必要があります。

6. 専門家への相談

相続税の申告や遺産分割協議は複雑な手続きです。少しでも不安な点があれば、税理士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスをしてくれます。

7. まとめ

相続財産の評価は、相続税法に基づき、時価で行われます。建付地かどうか、使用貸借の有無、共有状態など、様々な要素が評価に影響を与えます。正確な評価を行うには、専門家の助言を受けることが重要です。今回のケースでは、更地価格を基準に、使用貸借の有無、共有状態などを考慮した上で、土地の評価を行う必要があります。専門家と相談し、公平かつ円満な遺産分割協議を進めましょう。

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