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相続未分割土地の無断使用と対処法:遺言なき相続と私的賃貸借問題

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まだ誰のものとも確定していない土地を、勝手に使用して収入を得て良いのでしょうか? このまま放置して良いのか、使用を止めさせることはできるのか、その方法を知りたいです。 直接言っても聞いてくれないため、調停で何か文章を提出することを考えています。 土地の使用を止めさせるための法律用語があれば教えてください。
相続が発生すると、被相続人(亡くなった方)の財産は、法定相続人(法律で相続権を持つ人)に相続されます。しかし、相続手続きが完了するまでは、相続財産は「共有状態」(複数の相続人が共同で所有する状態)にあります。質問者さんのケースでは、相続税の申告は済んでいますが、土地の所有権がどの相続人に帰属するかはまだ確定していない、つまり「未分割」の状態です。
相続人が共有する土地を、一方の相続人が勝手に使用し、しかも利益を得ていることは、他の相続人の権利を侵害する行為です。これは民法上の「共有物管理に関する規定」に違反する可能性があります。 具体的には、共有物の使用・収益については、他の共有者の同意を得る必要があります。同意なく使用し、利益を得た場合は、他の共有者に対してその利益を分与する義務が生じます。
* **民法第252条(共有物の管理)**: 共有物の管理は、各共有者の協議によって行われます。協議ができない場合、裁判所に管理の方法を決定してもらうことができます。
* **民法第257条(共有物の使用収益)**: 共有者は、共有物の使用収益を自由にできるわけではありません。他の共有者の利益を害するような使用収益はできません。
「相続税の申告が終わったから、自由に使える」という誤解は危険です。相続税の申告は、相続財産の評価と税金の納付に関する手続きです。土地の所有権の帰属や使用権の決定とは別問題です。
調停において、以下の点を主張することが重要です。
* **無断使用の事実**: いつから、誰が、どのような形で土地を使用しているのかを具体的に記述します。写真や証言があれば、証拠として提出しましょう。
* **損害の発生**: 他の相続人が土地を使用できないことによる損害(例えば、将来的な土地売却益の減少など)を主張します。
* **利益の分与請求**: 土地の賃貸借によって得られた利益を、他の相続人と共有すべきであると主張します。
相続問題は複雑で、法律の知識が不可欠です。調停において有利に進めるためには、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切な法的措置をアドバイスし、必要に応じて書類作成や交渉を代行してくれます。特に、証拠集めや法的根拠の明確化は専門家の知見が不可欠です。
未分割の相続財産を一方的に使用し、利益を得ることは、他の相続人の権利を侵害する行為です。調停では、無断使用の事実、損害、利益分与請求を明確に主張し、必要に応じて弁護士などの専門家の力を借りましょう。 早めの行動が、あなたの権利を守る上で重要です。
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