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相続物件の現状と契約承継:老朽化した賃貸物件の相続と対処法

【背景】
* 母が亡くなり、60坪の二階建て賃貸物件(賃料10万円)を相続することになりました。
* 借主は一階部分(倉庫として使用)を改装しており、約30万円かけて自分たちの使いやすいように改修しているようです。
* 更新契約がないため、借主を追い出すことができないか悩んでいます。
* 借主は雨の日に窓を開けっ放しにするなど、建物の管理を適切に行っていないようです。

【悩み】
相続によって、現状の賃貸契約をそのまま引き継がなければならないのか、契約内容を変更できるのか知りたいです。また、借主の不適切な管理についてどう対処すべきか悩んでいます。

相続により賃貸借契約は承継されますが、条件変更は可能です。

相続による賃貸借契約の承継

まず、相続とは、被相続人(この場合はお母様)が亡くなった際に、その財産が相続人(この場合は質問者様を含むご兄弟)に引き継がれることです。 賃貸借契約は、不動産に関する権利の一種なので、相続の対象となります。つまり、お母様の賃貸借契約は、相続によって質問者様を含む相続人にそのまま承継されます(民法第87条)。 これは、借主が契約を継続したい場合、そして相続人が承継を拒否しない限り、自動的に引き継がれることを意味します。

今回のケースへの対応

質問者様は、相続によって、現状の賃貸借契約を承継することになります。しかし、契約内容を変更することは可能です。 借主が建物を適切に管理していない点、また、勝手に改装している点については、契約違反に当たる可能性があります。

関係する法律:民法と借地借家法

このケースには、民法と借地借家法が関係します。民法は、相続や契約の基本的なルールを定めており、借地借家法は、賃貸借契約に関するより具体的なルールを定めています。特に、借地借家法では、借主の修繕義務や建物の明渡しの条件などが規定されています。 借主の勝手に改装した部分について、原状回復を求めることも検討できます。

誤解されやすいポイント:更新契約の有無

更新契約がないからといって、すぐに借主を追い出すことはできません。 賃貸借契約には、定期借家契約と普通借家契約があります。定期借家契約は、契約期間が満了すれば、自動的に終了します。しかし、普通借家契約は、契約期間が満了しても、借主が継続して賃料を支払う限り、原則として継続されます。 今回のケースで更新契約がないということは、普通借家契約である可能性が高く、簡単に解約することは難しいです。

実務的なアドバイス:借主との交渉と法的措置

まずは、借主と話し合うことが重要です。 雨漏りや窓の開けっ放しなど、建物の管理状況について改善を求め、必要に応じて修繕費用を請求しましょう。 また、勝手に改装した部分について、原状回復を求めることも検討できます。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士などの専門家に相談し、法的措置を検討する必要があるかもしれません。

専門家に相談すべき場合

借主との交渉が難航した場合、または、契約内容の変更や解約にあたり法的知識が必要な場合は、弁護士や不動産専門家への相談がおすすめです。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要であれば法的措置をサポートしてくれます。 特に、借地借家法に関する専門的な知識が必要となるケースでは、専門家の力を借りることが重要です。

まとめ:相続と賃貸借契約の注意点

相続によって賃貸借契約は承継されますが、契約内容の変更や解約は、法律に基づいて適切な手続きを行う必要があります。 借主との良好な関係を維持しつつ、建物の管理状況を改善し、必要に応じて専門家の力を借りることが重要です。 特に、借主との交渉が難航する場合は、早急に専門家への相談を検討しましょう。 相続物件の管理は、法律や手続きに精通した専門家の助言を得ながら進めることが、トラブルを防ぎ、円滑な相続を進める上で非常に重要です。

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