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相続発生から遺産分割まで!有価証券の利子・配当金、不動産収入の分配方法を徹底解説

【背景】
父が亡くなり、相続が発生しました。遺産の中に有価証券(株や債券など)と不動産があります。相続人は私と兄の2人です。遺産分割協議をする際に、相続発生後から遺産分割完了までの間に、これらの資産から得られた利子、配当金、家賃収入などの分配方法が分からず困っています。

【悩み】
相続発生後に得られた利子・配当金や不動産収入は、それぞれの資産の相続人が受け取るのか、それとも全ての相続人で分配するのか、どちらが正しいのでしょうか?最高裁判例で2番目の方法(全て合算して分配)だと聞いたような気がするのですが、正確な情報を知りたいです。

相続発生後の収益は、原則として相続人で按分(あんぶん)分配です。

相続財産と果実の定義を理解する

まず、相続財産と果実(利子、配当金、家賃収入など)の違いを理解することが大切です。相続財産とは、被相続人(亡くなった方)が死亡した時点(相続開始時)に所有していた財産のことです。一方、果実は、相続開始後に相続財産から生じる収益のことです。例えば、相続開始後に株から得られた配当金や、不動産から得られた家賃は果実に当たります。

相続発生後の利子・配当金、不動産収入の分配方法

質問者様の仰るように、相続発生後の果実の分配方法は大きく2つの考え方があります。しかし、日本の民法では、原則として、相続開始後に生じた果実は、その果実を生じた財産の相続人が取得するとされています。

つまり、特定の株から得られた配当金は、その株を相続した人が受け取ることになります。不動産から得られた家賃収入であれば、その不動産を相続した人が受け取ることになります。これは、民法第900条に規定されている「果実取得の原則」に基づきます。

民法第900条と最高裁判例

質問者様は最高裁判例で「全て合算して分配」という方法だと記憶されているようですが、それは必ずしも正しくありません。最高裁判例の中には、特殊な事情(例えば、相続財産の管理が困難な場合など)を考慮して、全ての果実を合算して分配する判断をしたケースもありますが、それは例外的なケースです。原則は、果実を生じた財産の相続人が取得するということです。

誤解されやすい点:例外的なケースと遺産分割協議

「全て合算して分配」という考え方が誤解されやすいのは、遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を決める協議)において、柔軟な対応が可能なためです。相続人全員が合意すれば、果実を合算して分配することも可能です。しかし、これはあくまで合意に基づく例外的なケースであり、法律上の原則ではありません。

実務的なアドバイス:遺産分割協議での合意が重要

相続手続きにおいては、相続人同士の合意が非常に重要です。スムーズな遺産分割を行うためには、相続開始時点での財産状況を明確にし、相続発生後の果実についても、相続人同士で話し合って、分配方法を決めることが大切です。弁護士や税理士などの専門家に相談することで、円滑な協議を進めることができます。

専門家に相談すべき場合

遺産分割協議が難航する場合、特に相続人が複数いる場合や、高額な遺産がある場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は法律的な知識に基づいて適切なアドバイスを行い、紛争の予防や解決に役立ちます。複雑な相続税の問題なども考慮すると、専門家のサポートは不可欠です。

まとめ:原則と例外、そして合意の重要性

相続発生後の利子・配当金、不動産収入の分配は、原則として、その果実を生じた財産の相続人が取得します。しかし、相続人全員の合意があれば、例外的に合算して分配することも可能です。スムーズな遺産分割のためには、相続人同士の円滑なコミュニケーションと、必要に応じて専門家の活用が重要です。 遺産分割は、感情的な問題も絡みやすいので、冷静に、そして専門家の力を借りながら進めることが大切です。

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