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相続登記と胎児の権利:生まれていない子も相続できる?甲不動産の所有権移転登記申請の可否
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Dはまだ生まれていませんが、相続登記を申請することはできるのでしょうか?できる場合、どのような手続きが必要なのでしょうか?また、できない場合は、どのような手続きが必要になるのでしょうか?
民法では、胎児は既に存在する相続人として扱われます(民法第890条)。これは、胎児が将来出生する可能性を考慮し、出生前に権利を確保するための規定です。つまり、生まれていない胎児でも、相続権を持つと法律で認められているのです。ただし、この権利は、実際に生まれて生存したことを条件としています。もし、残念ながら胎児が死産だった場合は、相続権は消滅します。
今回のケースでは、相続人であるAから胎児Dへの所有権移転登記の申請は可能です。相続協議でDが甲不動産を取得することが合意されているため、法的に問題ありません。登記官は、出生届の提出を待つことなく、相続登記を行うことができます。
このケースには、民法(特に相続に関する規定)と不動産登記法が関係します。民法は相続人の範囲や相続分の決定、相続財産の承継などを規定し、不動産登記法は不動産の所有権の登記方法を定めています。両法律の規定に基づき、胎児Dは相続人として認められ、所有権移転登記の申請が可能となります。
誤解されやすいのは、胎児の相続権が絶対的なものではない点です。胎児が生まれて生存することが条件です。また、出生後に改めて所有権移転登記を行う必要はありません。出生届を提出することで、登記簿上の記載が正式なものとなります。
所有権移転登記申請には、相続協議書、Aの除籍謄本(戸籍の除籍事項証明書)、BとCの戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)、甲不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)、そして出生届(Dが出生した後に提出)などが必要です。これらの書類を準備し、法務局に申請します。法務局は、書類に不備がなければ、登記手続きを進めます。
相続手続きは複雑で、法律の専門知識が必要です。特に、複数の相続人がいたり、胎児が相続人である場合などは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、手続きの進め方や必要な書類、リスクなどを的確にアドバイスし、スムーズな手続きをサポートしてくれます。遺産分割協議が複雑な場合や、相続に係る争いが発生する可能性がある場合も、専門家の介入が不可欠です。
民法では、胎児は既に存在する相続人として扱われます。そのため、相続協議で胎児が相続財産を取得することになれば、出生前に相続登記を申請することが可能です。ただし、手続きには必要な書類が多数あり、複雑な部分もあるため、専門家への相談も検討しましょう。 胎児の出生と生存が、相続権の行使と登記の確定に不可欠な条件であることを忘れないようにしてください。
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