相続登記の二重変更：司法書士・土地家屋調査士への依頼方法と費用を抑えるコツ

【背景】
* 先々月、母親が亡くなり、母親が住んでいた土地・建物を相続することになりました。
* 土地・建物は25年前に父親から母親が単独相続したものですが、名義が父親のままです。
* 父親が亡くなる4年前に建物の改築（2階建てから3階建て、木造から鉄骨造）が行われましたが、登記に変更が反映されていません。
* 登記簿の表題部（※建物の所在地や構造などの基本情報を記載した部分）と権利部（※所有者や権利関係を記載した部分）の両方に訂正が必要なことがわかりました。

【悩み】
相続登記の表題部と権利部の訂正を依頼する際、司法書士協会または土地家屋調査士協会から紹介してもらう方法と、司法書士と土地家屋調査士の兼業の先生を探す方法のどちらがスムーズで費用を抑えられるのか知りたいです。他に良い方法があれば教えてください。

司法書士協会または土地家屋調査士協会への依頼がスムーズで費用を抑えやすいでしょう。

相続登記と表題部・権利部の変更について

相続によって不動産の所有権が移転した場合、その事実を登記簿に反映させる必要があります。これを「相続登記」と言います。今回のケースでは、父親から母親への相続登記がなされておらず、さらに建物の改築についても登記がされていないため、相続登記と合わせて表題部と権利部の変更登記が必要になります。

表題部は、不動産の物理的な状況（所在地、地積、建物構造など）に関する情報を記載した部分です。建物の改築があったため、この部分の訂正が必要です。権利部は、不動産の所有者や権利関係（所有権、抵当権など）に関する情報を記載した部分です。父親から母親への相続、そして母親から質問者への相続、この両方の登記がされていないため、訂正が必要です。

今回のケースへの具体的な対応

今回のケースでは、表題部の訂正は土地家屋調査士、権利部の訂正は司法書士がそれぞれ担当するのが一般的です。しかし、別々に依頼するよりも、一括で依頼した方がスムーズで費用も抑えられる可能性があります。

司法書士と土地家屋調査士の役割分担

* **土地家屋調査士**: 不動産の測量や図面作成を行い、表題部の登記手続きを担当します。
* **司法書士**: 不動産の権利関係に関する手続き、つまり権利部の登記手続きを担当します。

協会からの紹介と兼業士の比較

質問者様は、①司法書士協会または土地家屋調査士協会からの紹介、②司法書士と土地家屋調査士の兼業士への依頼という2つの方法を検討されています。

① **協会からの紹介**: 協会を通じて紹介を受けるメリットは、信頼できる専門家を紹介してもらえる点です。協会は会員の質を管理しているので、不適切な対応をされるリスクが低くなります。また、料金体系も比較的明確なことが多いです。

② **兼業士への依頼**: 兼業士に依頼するメリットは、窓口が一つで済むため、手続きがスムーズになる可能性がある点です。しかし、兼業士は必ずしも全員が質の高いサービスを提供するとは限らないため、注意が必要です。

費用を抑えるためのポイント

どちらの方法を選ぶにしても、費用を抑えるためには、事前に複数の士業に相談し、見積もりを比較することが重要です。また、依頼する前に、必要な書類や手続きの内容についてしっかりと確認しておきましょう。不明な点は遠慮なく質問し、納得した上で依頼することが大切です。

実務的なアドバイス

* 複数の士業に相談し、見積もりを比較する。
* 必要な書類を事前に準備する（相続関係を証明する書類、登記簿謄本など）。
* 手続きの流れや費用について、丁寧に説明してもらう。
* 契約内容をよく理解した上で契約を締結する。

専門家に相談すべき場合

相続登記は複雑な手続きが多く、専門知識がなければミスをしてしまう可能性があります。少しでも不安に感じる場合は、専門家に相談することをお勧めします。特に、相続に関する争いがある場合や、不動産の価値が高い場合は、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

まとめ

相続登記は、専門知識が必要な複雑な手続きです。協会からの紹介を受けることで、信頼できる専門家を選び、スムーズに手続きを進めることができます。費用を抑えるためには、複数の士業に相談し、見積もりを比較することが重要です。不明な点があれば、遠慮なく質問し、納得した上で依頼しましょう。今回のケースでは、協会からの紹介が最もスムーズで費用を抑えられる可能性が高いでしょう。