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相続登記の登記目的と登記原因:遺産分割協議後の所有権移転の正しい書き方

【背景】
私の父(被相続人A)が亡くなり、母(相続人B)と私(相続人C)が相続人となりました。母が父の財産である建物甲を取得し、移転登記を行いました。その後、遺産分割協議を行い、私が建物甲を取得することになりました。

【悩み】
建物甲の所有権を母から私に移転する際の登記の目的と登記原因をどのように書けば良いのか分かりません。「遺産分割」という言葉を使うべきではないと聞いたのですが、どのように記述すれば正しいのでしょうか?

登記目的:所有権移転、登記原因:遺産分割協議

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

不動産の所有権の移転は、登記(登記簿に所有者の情報を書き換える手続き)によって初めて確定します。 この登記には「登記目的」と「登記原因」を記載する必要があります。

* **登記目的:** どのような登記を行うのかを示します。今回のケースでは、所有権を移転させるため「所有権移転」となります。

* **登記原因:** 所有権が移転する原因となった事由を記載します。 例えば、売買契約による所有権移転であれば「売買」、贈与であれば「贈与」となります。 今回のケースでは、遺産分割協議によって所有権が移転するため、「遺産分割協議」が登記原因となります。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様のケースでは、登記目的は「所有権移転」、登記原因は「遺産分割協議」と記載するのが適切です。 「遺産分割による所有権移転はない」という情報は、正確には「遺産分割協議自体が所有権移転の登記原因となるものではなく、遺産分割協議に基づいて所有権移転の登記を行う」という意味です。遺産分割協議は、所有権移転の根拠となる契約であり、登記原因として記載されます。

関係する法律や制度がある場合は明記

このケースは民法(日本の私法の基本法)の相続に関する規定と、不動産登記法(不動産の権利関係を登記簿に記録する法律)に関係します。 具体的には、民法第900条以下の相続に関する規定と、不動産登記法に基づく所有権移転登記の規定が適用されます。

誤解されがちなポイントの整理

「遺産分割協議は持分の移転時のみに使用される」という誤解は、遺産分割協議が必ずしも「持分」を対象とするとは限らないという点に起因します。 相続財産が建物一棟の場合、遺産分割協議で特定の相続人がその建物を取得することも可能です。 その場合、持分の移転ではなく、所有権全体の移転が行われます。 今回のケースがまさにそれです。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

登記申請書には、以下のように記載するのが一般的です。

* **登記目的:** 所有権移転
* **登記原因:** 遺産分割協議
* **日付:** 遺産分割協議が成立した日付

さらに、遺産分割協議書のコピーを添付する必要があります。 この協議書には、建物甲の所有権が相続人Bから相続人Cに移転することを明確に記載する必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

遺産分割は複雑な手続きであり、登記申請の手続きも専門的な知識が必要です。 遺産分割協議の内容に不明瞭な点があったり、相続財産に複雑な事情(抵当権の設定など)があったりする場合は、司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 間違った登記をしてしまうと、後々大きな問題に発展する可能性があります。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

遺産分割協議後の不動産の所有権移転登記では、登記目的を「所有権移転」、登記原因を「遺産分割協議」と記載します。 遺産分割協議書を添付し、内容に不明瞭な点がないか確認することが重要です。 複雑なケースや不安な場合は、専門家への相談を検討しましょう。 正確な登記手続きを行うことで、将来的なトラブルを回避できます。

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