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相続登記後、相続人同士の土地贈与における注意点~他の相続人の権利と手続きについて徹底解説~
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おすすめ3社をチェック#### 相続と贈与の基礎知識
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が相続人(法律上の承継者)に承継されることです。相続が発生すると、相続財産は相続人全員で共有することになります(共同相続)。一方、贈与とは、生者が財産を無償で他人に譲渡することです。今回のケースでは、相続によって取得した土地の一部を、相続人同士で贈与しようとしています。
#### 今回のケースへの直接的な回答
相続登記が完了している場合、相続人Aは原則として、自分の相続分(遺言で指定されている割合)の土地について自由に処分できます。そのため、相続人Cへの贈与自体は可能です。しかし、それが他の相続人の権利を侵害する可能性があるかどうかが問題になります。
#### 関係する法律と制度
このケースでは、民法(特に相続に関する規定と贈与に関する規定)が関係します。具体的には、民法第890条(共有物の処分)などが重要になります。この条文では、共有者は、他の共有者の同意を得ずに、自分の持分を処分することはできないと定めています。
#### 誤解されがちなポイントの整理
「相続登記が完了しているから、自由に処分できる」と誤解されるケースがあります。相続登記は、相続によって誰がどの財産を所有するかを公的に明らかにする手続きです。しかし、相続人全員がその財産を共有しているという事実関係は変わりません。そのため、共有財産の一部を処分する際には、他の共有者の同意が必要となる場合があります。
#### 実務的なアドバイスと具体例の紹介
例えば、相続人Aが相続財産全体の1/3を相続し、そのうち土地の一部をCに贈与する場合、Aは自分の持分(1/3)の範囲内であれば、他の相続人の同意を得ることなく贈与できます。しかし、Aが相続した土地の全て、もしくは相続分を超える土地をCに贈与しようとする場合、他の相続人の同意が必要となる可能性が高いです。
もし、相続人Aが他の相続人の同意を得ずに贈与した場合、他の相続人は、その贈与契約を「共有物分割請求」によって無効にすることができます。(民法第257条)
#### 専門家に相談すべき場合とその理由
相続や不動産に関する手続きは複雑で、法律の専門知識が必要です。少しでも不安がある場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、相続財産に高額な不動産が含まれる場合や、相続人同士の間に何らかのトラブルがある場合は、専門家の助言が不可欠です。
#### まとめ
相続登記完了後であっても、相続人同士の土地贈与には、他の相続人の権利を考慮する必要があります。贈与の範囲が、相続人Aの相続分に収まるかどうか、また、他の相続人に不利益が生じる可能性がないかなどを慎重に検討し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが重要です。 他の相続人の同意を得ずに贈与を進め、後からトラブルになることを避けるためにも、事前に弁護士や司法書士に相談することを強く推奨します。
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