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相続登記後の遺産分割:更正登記と移転登記、どちらが正しい?不動産登記法の解説
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相続登記後に遺産分割協議をした場合、登記の修正は「更正登記」と「移転登記」、どちらの方法が正しいのか分かりません。それぞれの方法の適否と、税率についても知りたいです。
不動産の所有権は、不動産登記簿(登記簿)に記載することで初めて法的効力を持ちます。相続が発生した場合、相続人は相続登記(相続による所有権の移転登記)を行い、自分の名義で所有権を登記する必要があります。しかし、相続人が複数いる場合、遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を決める協議)を行い、誰がどの不動産を相続するかを決める必要があります。この協議の結果を反映させるために、遺産分割登記を行います。
相続登記後、遺産分割協議の結果を登記簿に反映させるには、主に2つの方法があります。
一つ目は「移転登記」です。これは、遺産分割協議で決定した相続人の持分に応じて、所有権を移転させる登記です。例えば、AさんとBさんが1/2ずつ相続し、Aさんが全持分を取得する場合は、BさんからAさんへの所有権移転登記を行います。
もう一つは「更正登記」です。これは、登記簿に記載された内容に誤りがあった場合に行う登記です。相続登記後、遺産分割協議で新たな事実が判明し、登記簿の内容に修正が必要な場合に利用できます。ただし、更正登記は、利害関係者がいない場合にのみ認められます。
相続登記後の遺産分割において、更正登記が適用できるのは、相続登記の際に誤った登記がなされており、それを修正する必要がある場合に限られます。例えば、相続人の人数を間違えて登記してしまった場合などが該当します。
一方、遺産分割協議によって相続人の持分が変更される場合は、原則として移転登記が必要となります。これは、相続登記時点では正確な情報が分からなかったため、遺産分割協議後に改めて所有権の移転を行う必要があるためです。
不動産登記法には、更正登記と移転登記の具体的な要件が規定されています。更正登記は、登記官が登記簿の記載に誤りがあると認めた場合に認められます。一方、移転登記は、所有権の移転を原因とする登記であり、遺産分割協議書などの証拠書類に基づいて行われます。
更正登記を行うには、「利害関係者」がいないことが条件です。しかし、「利害関係者」の定義は必ずしも明確ではありません。例えば、相続人以外に抵当権者(不動産を担保に融資を受けた者)がいる場合、その抵当権者は利害関係者となり、更正登記はできません。
相続登記後の遺産分割登記は、原則として「移転登記」で行うのが安全です。更正登記は、条件が厳しく、手続きが複雑なため、誤った適用でトラブルになる可能性があります。移転登記であれば、遺産分割協議書を基に手続きを進めるため、比較的スムーズに登記を進めることができます。
遺産分割は複雑な手続きを伴うため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、相続人が複数いる場合や、不動産の価値が高い場合、抵当権などの権利関係が複雑な場合は、司法書士(不動産登記手続きの専門家)や弁護士に相談することをお勧めします。
相続登記後の遺産分割登記は、原則として移転登記で行うのが安全です。更正登記は、条件が厳しいため、専門家の指導の下で行うべきです。不明な点があれば、専門家に相談し、スムーズかつ正確な登記手続きを進めましょう。 税率については、登記の種類に関わらず、不動産の価格に応じて課税されます。
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