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相続登記未了の土地と二次相続:遺産分割協議書がない場合の課税価格はどうなる?

【背景】
* 平成21年に父(被相続人F)が亡くなり、母(H)と私(A)、兄(B)が相続人となりました。
* 相続財産は土地(8000万円)のみです。
* 私(A)が土地を相続することで家族間で合意しましたが、不動産登記は行わず、登記名義は父のままです。
* 遺産分割協議書は作成していません。
* 相続税の基礎控除額(当時8000万円)以内だったので、相続税の申告はしていません。

【悩み】
母が亡くなり二次相続が発生しました。母には株式(5000万円)の固有財産がありました。二次相続の相続人は私(A)と兄(B)です。二次相続における課税価格がどのように算定されるのかが分かりません。登記上は遺産共有状態なので、税務署は法定相続分に基づいて遺産を計算するのでしょうか?それとも、家族間の合意を尊重して計算するのでしょうか?それとも、遺産分割の証拠がないため、土地は母に全て移転したとみなされるのでしょうか?

二次相続の課税価格は、株式5000万円のみです。

回答と解説

テーマの基礎知識:相続と登記、遺産分割

相続とは、被相続人が死亡した際に、その財産が相続人に承継されることです。相続財産には、不動産(土地や建物)、預金、株式など様々なものが含まれます。相続が発生すると、相続人は法定相続分(民法で定められた割合)で相続財産を共有します。しかし、相続人同士で合意すれば、法定相続分とは異なる割合で遺産分割を行うことができます。

遺産分割協議(遺産分割協議書の作成)は、相続人全員が相続財産の分割方法について合意し、その内容を文書にまとめる手続きです。この協議書は、遺産分割の証拠となる重要な書類です。

不動産の所有権の移転は、登記(不動産登記)によって確定します。相続によって不動産を取得した場合、相続登記を行うことで、正式に所有権を移転したことになります。登記がされていない場合でも、相続が発生した時点で所有権は相続人に移転しますが、第三者に対して所有権を主張するには登記が必要です。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様のケースでは、一次相続において遺産分割協議書は作成されていませんが、相続人全員がAが土地を相続することで合意していました。この合意は、たとえ文書化されていなくても、事実として認められる可能性が高いです。そのため、二次相続において、税務署は土地はAが相続したと判断し、Hの相続財産は株式5000万円のみとみなす可能性が高いです。

関係する法律や制度

このケースに関係する法律は、主に民法(相続に関する規定)と相続税法です。民法は相続の発生、相続人の範囲、法定相続分などを規定しています。相続税法は、相続税の課税対象となる財産や税率などを規定しています。

誤解されがちなポイントの整理

誤解されやすいのは、登記がされていないからといって、相続が発生していない、または相続財産が共有状態であるとみなされるわけではないということです。登記は所有権の対外的な証明であり、所有権そのものを確定するものではありません。相続が発生した時点で、所有権は相続人に移転します。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

相続登記は、相続が完了した後、できるだけ早く行うことが重要です。登記がされていない状態では、相続財産の管理や処分に支障をきたす可能性があります。また、相続税の申告においても、正確な相続財産の把握が困難になる可能性があります。

今回のケースでは、二次相続が発生する前に、一次相続の土地の登記を済ませておくべきでした。そうすれば、二次相続における課税価格の算定も明確になり、税務署とのトラブルを回避できた可能性があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続に関する問題は複雑で、法律の専門知識が必要となる場合があります。遺産分割協議がうまくいかない場合、相続税の申告に不安がある場合、または相続登記の手続きに迷う場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 登記がされていなくても、相続は発生し、所有権は相続人に移転します。
* 遺産分割協議書がない場合でも、相続人間の合意があれば、それを尊重する可能性が高いです。
* 相続に関する問題は複雑なので、専門家に相談することをお勧めします。
* 早期に相続登記を行うことで、後々のトラブルを回避できます。

今回のケースでは、相続人間の合意が事実として認められれば、二次相続の課税価格は株式5000万円のみとなる可能性が高いです。しかし、税務署の判断はケースバイケースなので、専門家に相談して確認することを強くお勧めします。

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