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相続登記未済・共有状態の土地・建物の固定資産税と求償権:単独登記の可能性と注意点

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兄が固定資産税を支払えない状況で、私の求償権(相手方に損害賠償を請求する権利)を行使し、兄の3/4の相続分を手に入れて単独登記することは可能でしょうか?また、私の負担する固定資産税を、兄から受け取るテナント家賃の一部で相殺することは可能でしょうか?
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。今回のケースでは、土地と収益ビルが相続財産です。相続登記(所有権の移転を登記所に登録すること)がされていないため、法的には相続人全員が共有者(財産を共有する者)となっています。共有状態では、各共有者の持ち分に応じて権利と義務を負います。
求償権(民法第714条)を行使して兄の持ち分を手に入れ、単独登記することは理論的には可能です。兄が固定資産税の支払義務を怠り、あなたに損害を与えたと認められれば、その損害額を兄に請求できます。しかし、裁判などを通して権利を主張する必要があり、手続きは複雑で、時間と費用がかかります。また、裁判で勝訴できる保証はありません。
家賃相殺については、兄があなたに支払うべき固定資産税の負担分を、テナント家賃から差し引くことは、条件付きで可能です。ただし、これはあくまで兄が固定資産税を支払う義務を負っていることを前提としています。
* **民法**: 相続、共有、求償権に関する規定があります。
* **固定資産税法**: 固定資産税の納税義務に関する規定があります。
* **不動産登記法**: 不動産登記に関する規定があります。
* **求償権の行使は容易ではない**: 求償権を行使するには、兄の債務不履行(固定資産税の不払い)と、あなたへの損害を明確に立証する必要があります。これは、専門家の助けが必要となる複雑な手続きです。
* **家賃相殺は自動的には行われない**: 家賃から固定資産税を勝手に相殺することはできません。兄との合意が必要か、裁判で認められる必要があります。
まず、兄と話し合い、固定資産税の支払いをどうするか、共有状態を解消する方法について協議することが重要です。話し合いがまとまらない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、法的措置を検討する必要があります。
例えば、兄が支払不能であれば、共有物の分割(不動産を分割して売却するなど)や、兄の持ち分の競売を検討する必要があるかもしれません。
* 相続登記や遺産分割が未済であること
* 求償権の行使、共有物の分割、競売など、複雑な法的問題が絡んでいること
これらの問題を解決するには、弁護士や司法書士などの専門家の知識と経験が不可欠です。専門家は、あなたの権利を保護し、最適な解決策を提案してくれます。
求償権を行使して単独登記することは可能ですが、容易ではありません。家賃の相殺も、合意または裁判での判決が必要です。相続登記や遺産分割が未済の状況では、専門家への相談が強く推奨されます。複雑な法的問題をスムーズに解決するためには、専門家の適切なアドバイスとサポートが不可欠です。早急に専門家にご相談されることをお勧めします。
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