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相続税とマンション相続:残債を抱える1棟マンションの相続放棄と税金について徹底解説
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マンションの相続を放棄するか、相続して借金を返済していくか迷っています。
相続放棄した場合、マンションを売却して借金よりも多くお金が残る可能性はありますか?
相続した場合、相続税はどのくらいかかるのでしょうか?借入金は相続税の計算から差し引かれますか?
相続手続きが複雑で、放棄した方が楽なのではないかと考えています。
相続とは、亡くなった方の財産(遺産)が、法律で定められた相続人(この場合は質問者様)に引き継がれることです。相続財産には、預金や不動産だけでなく、借金も含まれます。つまり、マンションを相続するということは、マンションの所有権だけでなく、1.5億円の借金も同時に相続することになります。
相続税は、相続によって取得した財産の価値(相続財産)に対して課税される税金です。相続税の計算では、相続財産の総額から葬式費用や借金などの債務を差し引いた「純資産」を基に計算されます。そのため、1.5億円の借金は相続税の計算から控除(差し引く)されます。
マンションを相続し、売却した場合、売却益が1.5億円を超える見込みがあれば、相続放棄せずに相続する方が有利です。売却益から借金を返済した残りが、相続税を支払った後でもプラスになるなら、相続を選択する価値があります。逆に、売却益が1.5億円を下回る見込みであれば、相続放棄も選択肢として考えられます。
相続税の計算は複雑ですが、簡単に説明すると、以下のようになります。
1. **相続財産の評価**: マンションの評価額を算出します。これは、不動産鑑定士による評価が一般的です。
2. **債務の控除**: 1.5億円の借入金を相続財産から控除します。
3. **純資産の算出**: 相続財産の評価額から債務を差し引いた額が純資産となります。
4. **基礎控除の適用**: 一定額の基礎控除が適用されます。
5. **税率の適用**: 純資産から基礎控除を引いた額に、相続税率を適用して相続税額を計算します。
重要なのは、借金は相続税の計算において控除されるということです。つまり、借金分は税金がかからないため、単純に「借金があるから税金が高い」とはなりません。
相続放棄は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法第1001条)。相続放棄をすると、相続財産(マンションと借金)を一切受け継がないことになります。 しかし、相続放棄は、一度行うと取り消すことが非常に困難です。そのため、安易な気持ちで放棄しないように注意が必要です。
相続手続きは複雑なため、税理士や弁護士などの専門家への相談が不可欠です。専門家は、マンションの評価額、相続税額の試算、相続放棄の手続きなど、あらゆる面でサポートしてくれます。
例えば、マンションの売却益が2億円だったと仮定します。借金1.5億円を差し引くと、5000万円が残ります。この5000万円から相続税を差し引いた額が、最終的に質問者様の手元に残るお金となります。相続税額は、相続財産の規模や相続人の数、相続開始時の年齢などによって変動するため、専門家に相談して正確な金額を算出してもらう必要があります。
相続税の計算は複雑で、専門知識がないと正確な金額を算出できません。また、相続放棄の手続きも専門家の助けが必要な場合があります。少しでも迷うようであれば、税理士や弁護士に相談することを強くお勧めします。専門家の的確なアドバイスによって、最適な選択をすることができます。
マンション相続は、借金がある場合でも、売却益が借金を超える可能性があれば、必ずしも放棄すべきではありません。相続税の計算には借金が控除されることを理解し、専門家の助言を得ながら、ご自身の状況に最適な判断を下してください。 相続は人生における大きな出来事であり、冷静かつ慎重な対応が求められます。
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