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相続税対策としての高級車購入と売却は有効か?~負債を活用した節税の落とし穴と賢い対策~
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値段の落ちにくい超高級車をフルローンで購入し、相続が終わった後すぐに売却するという相続税対策は有効なのかどうか知りたいです。
相続税は、相続人が相続した財産の価額(遺産総額)から、葬式費用や借金などの債務を差し引いた純粋な財産に対して課税されます。 そのため、相続時に負債があれば、相続税の税額を減らすことができます。これは、相続財産が減った分、税金も少なくなるというシンプルな仕組みです。
質問者様は、高級車をフルローンで購入し、相続後に売却することで、相続時点での負債を増加させ、相続税を減らすことを考えていらっしゃいます。しかし、この方法はいくつかの点でリスクを伴います。
まず、高級車は、たとえ「値段の落ちにくい」車種であっても、時間の経過とともに価値が下がる(減価償却)のが一般的です。相続時に売却する際の価格が、購入価格を下回ってしまう可能性があり、かえって損失を生む可能性があります。 さらに、ローン返済期間中に、想定外の修理費用が発生する可能性も考慮しなければなりません。
相続税の計算には、相続税法が適用されます。 相続税法では、相続財産の評価方法や控除などが細かく規定されており、高級車のような動産(不動産以外の財産)の評価も、市場価格などを基に行われます。 また、ローン残高は債務として認められ、遺産総額から控除されます。
「負債を増やせば相続税が減る」という考え方は正しいですが、単に負債を増やすことが目的ではありません。 重要なのは、相続税の税額を合法的に、かつ効果的に減らすことです。 高級車購入は、その効果が不確実であり、リスクが高い方法と言えます。
相続税対策は、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。税理士や弁護士に相談し、ご自身の状況に最適な対策を検討しましょう。例えば、生命保険を活用した対策や、生前贈与(相続前に財産を贈与すること)なども有効な手段です。 アパート経営をされている状況を踏まえ、不動産に関する専門家の意見も参考にすることをお勧めします。
相続税対策は複雑な手続きを伴い、誤った判断は大きな損失につながる可能性があります。 特に、今回のように、新たな負債を負うことを検討する場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談することが不可欠です。 専門家は、ご自身の状況を的確に把握し、最適な対策を提案してくれます。
高級車購入による相続税対策は、減価償却や想定外の費用発生などのリスクを考慮すると、有効な方法とは言えません。相続税対策は、専門家の適切なアドバイスを受けながら、ご自身の状況に合わせた計画を立てることが重要です。 生前贈与や生命保険など、他の有効な対策方法も検討し、長期的な視点で相続対策に取り組むことをお勧めします。 専門家の力を借りながら、安心できる相続計画を立てましょう。
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