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相続財産が共有の場合:姉妹が共有を放棄したらどうなる?宅地・田畑の扱いと相続手続き
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相続財産を現金化するために、宅地と田畑を競売に出すという話を聞きました。しかし、私たち姉妹は共有で持つことに抵抗があり、共有の権利を放棄したいと考えています。共有の権利を放棄した場合、宅地と田畑はどうなるのでしょうか?また、相続手続きはどうすれば良いのでしょうか?
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続財産には、預貯金などの現金だけでなく、不動産(宅地、田畑など)、自動車、有価証券など、様々なものが含まれます。相続人が複数いる場合、原則として相続財産は相続人全員で共有となります(民法878条)。共有とは、複数の者が一つの財産を共同で所有する状態です。
共有状態にある財産を、各共有者が自分のものとして自由に処分するには、他の共有者の同意が必要です。例えば、共有の土地を売却するには、全ての共有者の同意を得なければなりません。同意が得られない場合、裁判所に「共有物分割」の請求をすることができます(民法257条)。共有物分割とは、共有状態にある財産を分割して、各共有者が単独で所有できる状態にする手続きです。裁判所は、共有財産の状況などを考慮して、分割の方法を決定します。競売による現金化も、共有物分割の方法の一つです。
質問者様とご姉弟が共有を放棄(相続放棄ではない)したいとのことですが、これは法的に難しい点があります。共有そのものを放棄する制度はありません。 正確には、**共有持分を放棄する**という表現になります。 そして、相続放棄とは別物です。相続放棄は、相続そのものを放棄する制度です。相続放棄をすると、相続財産を一切相続しません。
一方、共有持分の放棄は、自分の持分を放棄することで、他の共有者の単独所有となります。質問者様とご姉弟が共有持分を放棄した場合、放棄しない方の単独所有となります。つまり、どちらか一方が共有持分を放棄すれば、放棄しなかった方の単独所有になります。
関係する法律は、民法です。特に、民法第878条(相続の開始と相続人の決定)、民法第257条(共有物の分割)が重要です。
「共有の放棄」と「相続の放棄」は混同されがちです。相続の放棄は、相続そのものを放棄するもので、相続財産を一切受け取らないことを意味します。一方、共有の放棄(正確には共有持分の放棄)は、共有財産における自分の持分を放棄することで、他の共有者への移転を意味します。今回のケースでは、相続は既に開始されており、相続放棄はできません。
姉妹で話し合い、どちらかが共有持分を放棄する意思表示をすれば、放棄しない方の単独所有となります。 この意思表示は、公正証書(公証役場で作成される、法的効力のある文書)で作成するのが望ましいです。 公正証書を作成することで、後々のトラブルを防止できます。 また、放棄する際に、放棄する側が放棄した持分に対して対価を要求するといったことは、事前に合意が必要です。 単に放棄するだけであれば、対価は発生しません。
土地の売却を希望する場合は、放棄後、単独所有者となった方が売却手続きを進めます。不動産会社に売却を依頼し、売買契約を締結、決済を経て、売却代金を受け取ります。
相続手続きは複雑で、法律の知識が必要となる場合があります。特に、遺産分割協議が難航したり、高額な不動産が含まれている場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、相続手続きをスムーズに進めるための適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
* 共有財産を現金化するには、共有物分割の手続きが必要になります。
* 共有持分を放棄することは可能ですが、相続放棄とは異なります。
* 共有持分を放棄した場合、放棄しない方の単独所有となります。
* 公正証書を作成することで、後々のトラブルを防止できます。
* 複雑な相続手続きは、専門家に相談することをお勧めします。
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