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相続財産目録の遅延:遺言執行者への対応と民法1011条の解釈
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民法第1011条①「遺言執行者は,遅滞なく,相続財産の目録を作成して,相続人に交付しなければならない」に照らし合わせ、弁護士(遺言執行者)に正確な財産目録の早期提出を求める権利があるのか知りたいです。また、弁護士の対応は妥当なものなのか不安です。
まず、相続財産目録とは何か、遺言執行者(遺言によって相続財産の管理や分配を委任された人)の役割について理解しましょう。
相続財産目録とは、相続財産(相続によって引き継がれる財産、預金、不動産、株式など)をリスト形式で一覧にしたものです。 預金残高、不動産の所在地と評価額、株式の銘柄と数量など、相続財産の内容と数量を具体的に記載します。 これは、相続人(被相続人(亡くなった人)から財産を相続する人)が相続財産を把握し、遺産分割(相続財産を相続人同士で分けること)を行う上で非常に重要な書類です。
遺言執行者は、遺言書に従って相続手続きを進める役割を担います。 具体的には、相続財産の調査、債権債務の整理、相続税の申告、遺産分割などです。 民法第1011条①は、遺言執行者が相続人に対して「遅滞なく」相続財産目録を作成し、交付する義務を定めています。
質問者様のケースでは、遺言執行者である弁護士が、8ヶ月もの間、正確な財産目録を提出していません。 これは、民法第1011条①の「遅滞なく」という規定に反する可能性が高いです。 「遅滞なく」とは、法的には相当の期間内にという意味で、具体的な日数はケースバイケースですが、8ヶ月は明らかに長すぎると考えられます。
関係する法律は、主に民法です。 特に、民法第1011条①は、遺言執行者の義務を規定しています。 また、相続税法も関係します。 相続税の申告には正確な財産目録が必要となるからです。
「遅滞なく」の解釈について誤解があるかもしれません。「すぐに」という意味ではありません。 しかし、状況を鑑みて、相当な期間内に作成・提出する必要があることは間違いありません。 8ヶ月という期間は、多くの場合、許容範囲を超えています。 また、暫定的な目録では不十分です。 最終的な、正確な目録の提出が求められます。
弁護士に、書面で正確な財産目録の提出を求めるべきです。 その際に、民法第1011条①を根拠に、遅延していることを指摘しましょう。 具体的な期限を設定して、その期限までに提出を求めることが重要です。 期限までに提出されない場合は、弁護士会への相談や、必要であれば裁判による解決も検討するべきです。
弁護士の対応に納得できない場合、または、弁護士が期限を守らない場合は、別の弁護士に相談することをお勧めします。 相続問題に特化した弁護士であれば、より適切なアドバイスを受けられるでしょう。 また、裁判所への訴訟も選択肢の一つです。
遺言執行者には、相続財産目録を「遅滞なく」作成・提出する義務があります。 8ヶ月間の遅延は、許容範囲を超えている可能性が高いです。 まずは弁護士に書面で改善を求め、それでも対応が改善されない場合は、別の弁護士や司法書士に相談することを検討しましょう。 正確な財産目録の取得は、円滑な遺産分割のためにも不可欠です。 権利を主張し、適切な対応を求めることが重要です。
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