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相続開始後、遺産分割前の不動産権利譲渡と共有物分割請求:相続財産を巡る複雑な権利関係

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兄は、遺産分割協議前に自分の権利を第三者に譲渡できるのでしょうか? また、その第三者は、遺産分割協議を経ずに、私に対して共有物分割を請求できるのでしょうか? 兄の権利とは、相続分(例えば、相続財産の4分の1)を譲渡することなのでしょうか?それとも、遺産分割前に、まだ自分のものになっていない土地を譲渡したということなのでしょうか? 法律的にどうなっているのか、不安です。
相続とは、人が亡くなった(相続開始)際に、その人の財産(遺産)が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた順位で決められます(民法第886条)。遺産分割とは、相続人複数の場合、遺産をどのように分けるかを決め、相続人の各人が自分の相続分を取得する手続きです。遺産分割は、協議(遺産分割協議)によって行うのが一般的ですが、協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の審判を請求することができます。
相続開始後、遺産分割が完了するまでは、相続財産は相続人全員の共有となります(民法第897条)。つまり、相続人Aは、甲不動産の所有権を単独で持つのではなく、他の相続人(この場合は質問者)と共有している状態です。
質問者のお兄様は、遺産分割協議前に、甲不動産に関する自分の権利を第三者Bに譲渡することは可能です。 これは、お兄様が相続人としての権利の一部を譲渡したということになります。 ただし、その権利の範囲は、遺産分割協議の結果によって変わる可能性があります。 お兄様が相続分として4分の1の権利を有すると仮定した場合、譲渡できるのはその4分の1の権利に限定されます。 まだ遺産分割が完了していない段階で、甲不動産全体を譲渡することはできません。
第三者Bは、遺産分割協議を経ずに、質問者に対して共有物分割請求を行うことができます。しかし、その請求は、お兄様から譲渡された権利の範囲に限定されます。 Bは、お兄様の相続分に応じた部分の共有物分割しか請求できません。
このケースには、民法の相続に関する規定(第886条~900条)と共有に関する規定(第249条~260条)が関係します。特に、共有物分割請求に関する規定(民法第257条)は重要です。 共有物分割請求とは、共有状態にある不動産を分割して、各共有者が単独所有権を取得するための請求です。
遺産分割協議前に相続財産を譲渡できるからといって、その財産が完全に自分のものになるわけではありません。譲渡されたのは、あくまでも相続開始後の共有持分であり、遺産分割協議の結果によって、その持分の価値や範囲が変更される可能性があります。 また、第三者Bは、遺産分割協議に参加する権利はありません。
例えば、相続財産が甲不動産(土地)のみで、相続人が兄と質問者2人の場合、兄が相続分として1/2の権利を有しているとします。兄がその1/2の権利を第三者Bに譲渡した場合、Bは甲不動産の1/2の権利を取得します。遺産分割協議において、兄の相続分が変更になったとしても、Bが取得した権利は変わりません。しかし、遺産分割協議で甲不動産が売却されることになれば、売却代金の1/2をBは受け取ることができます。
遺産分割は複雑な手続きであり、相続財産の価値や種類、相続人の人数などによって、最適な解決策は異なります。 特に、相続人同士で意見が対立したり、高額な財産が絡む場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、トラブルを回避するお手伝いをしてくれます。
遺産分割前の不動産の権利譲渡は可能ですが、その権利は相続分に基づき、遺産分割協議の結果に影響を受ける可能性があります。 第三者への譲渡は、相続人同士の合意や裁判所の判断とは独立して成立します。 しかし、共有物分割請求は、譲渡された権利の範囲に限定されます。 複雑な問題なので、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
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