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相続開始後の固定資産税:相続人全員の支払い義務と名義変更の重要性
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相続協議中に固定資産税の請求がきました。相続人全員が支払う義務があるのか、また、名義変更が遅れるとどうなるのか不安です。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者を対象に課税されます(固定資産税条例)。相続が発生した場合、相続開始(被相続人が死亡した日)時点での所有者が課税対象となります。 つまり、お父様が亡くなられた時点で、その不動産の所有権は法律上、相続人全員に共有で移転したとみなされます(民法第885条)。そのため、相続協議が完了する前であっても、相続人全員に固定資産税の納付義務が生じるのです。これは、相続人が誰であるか、相続協議がいつ終わるかとは関係なく、法律で定められたルールです。
相続人全員には、固定資産税について「連帯債務」が発生します。連帯債務とは、債務者(この場合は相続人)が複数いる場合に、債権者(この場合は市町村)は、債務者の一人に対して全額の支払いを請求できる制度です。 例えば、相続人が3人いる場合、市町村は3人のうち誰一人に対しても全額の支払いを請求できます。 支払った相続人は、他の相続人に対して、支払額の按分(相続割合に応じた分担)を請求することができます。
固定資産税の請求書は、亡くなったお父様の名前で届く可能性が高いです。しかし、相続開始時点で所有権は相続人に移転しているので、請求書に記載されている名前は、法的根拠としては問題ありません。ただし、名義変更(相続登記)を済ませることで、今後の請求は相続人の名義で行われるようになり、管理が容易になります。相続登記は、相続が開始してから3ヶ月以内に相続人全員で手続きを行うことが推奨されます。
亡くなった方への請求は、法的には問題ありません。なぜなら、相続開始時点で所有権は相続人に移転しているからです。しかし、実際には亡くなった方に請求書が届いても、支払いができないため、相続人への請求に切り替わります。 相続登記が遅れると、請求がスムーズに行われず、相続人側にも事務的な負担が増えることになります。
相続手続きは、相続開始後できるだけ早く進めることが重要です。特に相続登記は、固定資産税の支払いだけでなく、不動産売買や抵当権設定など、様々な手続きを進める上で必要不可欠です。 相続協議が難航する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
相続協議が複雑で、相続人同士で意見が合わない場合、弁護士や司法書士に相談することが有効です。専門家は、相続協議の進め方、相続税の申告、相続登記の手続きなど、様々な面からサポートしてくれます。特に、高額な不動産を相続する場合や、相続人が多く意見が対立する場合は、専門家の力を借りることを強くお勧めします。
相続開始と同時に、固定資産税の支払い義務は相続人全員に発生します。相続登記を早期に済ませ、今後の手続きをスムーズに進めることが重要です。相続協議が困難な場合は、専門家に相談しましょう。 早めの行動が、相続手続きを円滑に進める鍵となります。
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