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私道共有持分と売買:通行掘削承諾書が必要?8分の1持分では不十分な理由を徹底解説

【背景】
* 8区画の建売住宅の一戸を購入しました。
* 前面道路は私道で、私の土地の持分は8分の1です。
* 公図上は私道部分と私の土地は1筆で表示されています。
* 土地売却を検討しており、買主から他の共有者7名全員からの通行掘削承諾書(土地の通行や掘削を許可する文書)の取得を求められています。
* 購入時には、他の共有者からの通行掘削承諾書は取得していません。

【悩み】
私道部分に8分の1の持分がある以上、その権利を売買契約で買主に譲渡すれば十分ではないでしょうか? 他の共有者全員からの承諾書が必要な理由が分かりません。法律的にどうなのでしょうか?

私道持分だけでは不十分です。共有者全員の承諾が必要です。

回答と解説

テーマの基礎知識:私道と共有持分

土地の所有権は、原則として「所有権は単独で、完全に所有できる権利」です。しかし、複数の者が共同で所有する「共有」という状態も存在します。今回のケースでは、私道が複数の者で共有されている状態です。共有者全員の同意なしに、私道を使用したり、改変したりすることはできません。これは民法(日本の基本的な民事に関する法律)で定められています。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様は私道の8分の1の持分を所有していますが、それだけでは土地の売買に際し、買主が自由に私道を通行・掘削できる権利を保証できません。買主は、土地を購入後、建物の建築や改修のために私道を通行したり、水道管や下水管などの埋設のために掘削する必要が生じる可能性があります。これらの行為は、他の共有者の権利を制限する可能性があるため、共有者全員の同意(承諾)が必要となるのです。そのため、買主は他の共有者7名全員からの通行掘削承諾書を求めているのです。

関係する法律や制度

* **民法(特に共有に関する規定):**共有物の使用、収益、処分には、共有者全員の同意が必要です。私道は共有物であるため、この規定が適用されます。
* **建築基準法:**建築物を建築するには、建築基準法に適合する必要があります。私道の通行や掘削は、建築基準法に関連する手続きや許可が必要になる場合もあります。

誤解されがちなポイントの整理

「自分の持分があれば自由に使える」という誤解はよくあることです。共有物については、自分の持分比率に関わらず、他の共有者の権利を侵害しない範囲での使用しか認められません。私道の通行や掘削は、他の共有者の権利を侵害する可能性があるため、承諾が必要となるのです。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

買主が通行掘削承諾書を求めるのは、将来的なトラブルを避けるためです。例えば、買主が建築中に私道の通行を妨げられたり、掘削工事で近隣住民とのトラブルが発生したりする可能性があります。承諾書があれば、これらのトラブルを事前に防ぐことができます。

具体的には、他の共有者と交渉し、承諾書を取得する必要があります。交渉が難航する場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 他の共有者との交渉がうまくいかない場合
* 法律的な問題点について不明な点がある場合
* 承諾書の内容に問題がないか確認したい場合

専門家である弁護士や不動産会社などに相談することで、スムーズな売買手続きを進めることができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

私道共有の場合、自分の持分だけでは通行や掘削の権利を完全に保証できません。買主が安心して土地を購入し、建築を進めるためには、他の共有者全員からの通行掘削承諾書が必要となります。これは、民法上の共有に関する規定に基づくものであり、将来的なトラブルを避けるためにも重要な手続きです。交渉が難しい場合は、専門家への相談を検討しましょう。

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