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競売後の賃貸、原状回復の起点はいつ?契約更新時の注意点も解説

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新しい契約が始まった6月1日からが、原則として現状回復の起点となります。事前の記録は、後のトラブルを防ぐために重要です。
賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)とは、簡単に言うと、家を借りる人と貸す人の間で結ばれる約束のことです。この約束の中で、借りる人は家賃を支払い、貸す人は借りる人に家を使わせる義務を負います。そして、この契約には、借りた人が退去する際に、借りた時の状態に戻す「原状回復」(げんじょうかいふく)という大切なルールが含まれています。
原状回復とは、借りた部屋を元の状態に戻すことですが、ここで注意すべき点があります。それは、単に「借りる前の状態に戻す」ということではないということです。通常の使用によって生じた損耗(そんもう:価値が減ること)については、借り主が責任を負う必要はありません。例えば、家具を置いたことによる床のへこみや、日焼けによるクロスの変色などは、通常の使用によるものとみなされることが多いです。
一方で、借り主の不注意や故意によって生じた傷や汚れ、例えばタバコのヤニや焦げ付き、壁に開けた穴などは、借り主が修繕費用を負担する必要があります。この線引きが、原状回復におけるトラブルの原因になりやすい点です。
今回のケースでは、新しいオーナーとの間で新しい賃貸借契約が締結されたことが重要です。原則として、この新しい契約が始まった日(6月1日)から、原状回復の責任が始まることになります。つまり、それ以前に発生した傷や汚れについては、原則として新しいオーナーに責任を負わせることはできません。
ただし、以前の契約を引き継いでいる期間中に発生した損耗については、以前の契約の内容に従うことになります。もし以前の契約で、現状回復に関する特別な取り決め(特約)があれば、それに従う必要があります。
今回のケースでは、新しい契約で「現状回復にかかる費用については退去時の精算」と記載されているため、6月1日以降の部屋の使用状況が、退去時の原状回復の対象となります。
賃貸借契約に関する法律として、最も重要なものの一つが「借地借家法」(しゃくちしゃっかほう)です。この法律は、借主(借りる人)の権利を保護するために、さまざまなルールを定めています。例えば、正当な理由がない限り、貸主は借主を退去させることはできません。
しかし、賃貸借契約は、基本的に「契約自由の原則」に基づいており、当事者同士が合意すれば、さまざまな内容を契約に盛り込むことができます。つまり、原状回復に関する特約など、法律で定められている範囲内で、自由に契約内容を決めることができるのです。
今回のケースでは、新しい契約書の内容が重要になります。契約書に、現状回復に関する詳細な取り決めが記載されている場合、それに従う必要があります。もし、契約内容について不明な点があれば、専門家(弁護士や不動産鑑定士など)に相談することをおすすめします。
原状回復に関して、最も誤解されやすいのが、「経年劣化」(けいねんれっか)と「通常損耗」の違いです。経年劣化とは、時間の経過とともに自然に生じる劣化のことです。例えば、壁紙の日焼けや、建具の隙間などが該当します。通常損耗とは、通常の生活の中で生じる損耗のことです。例えば、家具の設置による床のへこみや、壁に画鋲を刺した跡などが該当します。
これらの損耗については、原則として、借主が修繕費用を負担する必要はありません。しかし、借主の故意や過失によって生じた損耗、例えばタバコのヤニや焦げ付き、壁に大きな穴を開けた場合などは、借主が修繕費用を負担する必要があります。
この区別は非常に曖昧であり、トラブルの原因になりやすいです。そのため、退去時には、貸主と借主が立ち会って、現状を確認し、修繕範囲や費用について話し合うことが重要です。
今回のケースでは、新しい契約が始まる前に、部屋の状態を記録しておくことが非常に重要です。具体的には、以下の方法をおすすめします。
これらの準備をしておくことで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。
もし、退去時に貸主との間で原状回復費用についてトラブルになった場合は、専門家への相談を検討しましょう。具体的には、以下のような場合に相談を検討することをおすすめします。
専門家としては、弁護士、司法書士、不動産鑑定士などが挙げられます。それぞれの専門家が、異なる視点からアドバイスをしてくれます。また、消費生活センターや、住宅紛争審査会などの公的機関も、相談に乗ってくれます。
今回のケースで重要なポイントは以下の通りです。
賃貸借契約は、生活の基盤となる住まいに関わる重要な契約です。契約内容をしっかりと理解し、自分の権利を守ることが大切です。もし、疑問や不安があれば、遠慮なく専門家に相談してください。
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