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築16年共有建物の修繕費用負担:持分比率と民法253条の解釈

【背景】
* 築16年の建物を、私と相手方で共有しています。(私の持分5、相手の持分18)
* 建物の老朽化により、複数の部屋の修理が必要となりました。
* 修理は不可欠であり、業者からの見積もりも相手方に提示済みです。

【悩み】
相手方は、自分があまり使用していない一部屋の修理費用を負担したくないと言っています。共有物の維持管理費用は、民法第253条に基づき、持分比率で負担すべきだと考えていますが、裁判になった場合、相手方に修理費用負担を命じる判決が下るでしょうか?

民法253条に基づき、持分比率で負担命令の可能性が高いです。

回答と解説

共有物の基礎知識

共有物とは、複数の人が共同で所有する財産のことです。今回のケースでは、建物全体が共有物となります。共有物の所有者は、それぞれ自分の持分に応じて権利と義務を有します。 例えば、建物の所有権は、あなたと相手方がそれぞれ5/23と18/23の割合で所有しています。

今回のケースへの直接的な回答

相手方が特定の部屋の使用頻度を理由に修理費用負担を拒否することは、原則として認められません。民法第253条は、「共有物の維持保全に必要な費用は、各共有者がその持分に応じて負担する」と定めています。つまり、建物の修繕費用は、あなたの持分5/23と相手方の持分18/23の比率で負担すべきです。相手方が特定の部屋の使用頻度を理由に費用負担を拒否しても、裁判で持分比率に応じた費用負担を命じる判決が下る可能性が高いです。

関係する法律や制度

関係する法律は、民法第253条です。この条文は、共有物の維持保全に関する費用負担を規定しており、共有者間の紛争解決において重要な役割を果たします。 具体的には、共有物の保存、修繕、改良に必要な費用は、各共有者がその持分に応じて負担しなければなりません。(民法第253条)

誤解されがちなポイントの整理

誤解されやすいのは、「使用頻度」と「費用負担」の関連性です。共有物の維持管理費用は、個々の共有者がその財産をどの程度利用しているかとは関係なく、持分比率に応じて負担する義務があります。たとえ特定の部屋をほとんど使用していなくても、共有者としての責任は変わりません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

まずは、相手方と話し合い、冷静に状況を説明することが重要です。 業者に見積もりを依頼し、その内容を具体的に示すことで、相手方の理解を得られる可能性があります。話し合いがまとまらない場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。弁護士は、法的根拠に基づいて相手方と交渉したり、必要であれば裁判手続きを進めることができます。

例えば、修繕費用の総額が100万円だった場合、あなたの負担額は、100万円 × (5/23) ≒ 21万7391円、相手方の負担額は、100万円 × (18/23) ≒ 78万2609円となります。

専門家に相談すべき場合とその理由

話し合いがこじれたり、相手方が費用負担を拒否し続ける場合は、弁護士などの専門家に相談することが重要です。専門家は、民法第253条などの法律に基づいて、あなたの権利を主張し、適切な解決策を提案してくれます。裁判になった場合も、専門家のサポートは不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

共有物の修繕費用は、各共有者の持分比率に応じて負担する義務があります。使用頻度とは関係ありません。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。民法第253条を理解し、適切な対応を取ることで、紛争を回避し、円満に解決できる可能性が高まります。 早期の専門家への相談が、時間と費用の節約につながることもあります。

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