築35年アパート相続！兄との揉め事を解決する方法と相場価格の算出

父が亡くなりました。父が所有していたアパートを兄と私2人で相続することになりました。母はいません。アパートは築35年で、ローンはなく、月30万円位の家賃収入があります。アパートの土地の値段は4000万位と聞いています。私は金銭ではなくアパート自体を相続したいのですが、兄もアパートが欲しいと言って譲りません。遺言はありません。どういう解決方法がありますか？兄に対して、お金で解決する方法を提案する場合、いくら位払うのが妥当でしょうか？

遺産分割協議で話し合い、合意できない場合は家庭裁判所に調停を申し立てる。

相続におけるアパートの分割方法

#### 相続の基礎知識：法定相続と遺産分割

まず、相続の基本的な仕組みを理解しましょう。ご質問の場合、遺言がないため、民法（法律）に基づく「法定相続」となります。法定相続とは、法律で決められた相続人の割合で遺産を相続することです。ご兄弟で相続される場合、通常は2分の1ずつ相続することになります。

しかし、相続財産がアパート1棟というように、分割が容易ではない場合、現金で清算するなど、相続人同士で話し合って遺産分割の方法を決める必要があります。これを「遺産分割協議」と言います。

#### 今回のケースへの直接的な回答：遺産分割協議と調停

ご質問のように、兄とアパートの相続を巡って意見が合わない場合は、まず話し合い（遺産分割協議）で解決を目指しましょう。話し合いの結果、合意できれば、公正証書（法的効力のある文書）を作成することで、法的にも有効な分割となります。

しかし、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。調停委員を交えて話し合いを行い、合意を目指します。調停でも合意に至らない場合は、裁判による解決となります。

#### 関係する法律：民法

相続に関する法律は、主に民法が関係します。特に、第900条以降の「相続」に関する規定が重要です。遺産分割協議や調停、裁判といった手続きは、この民法に基づいて行われます。

#### 誤解されがちなポイント：感情的な解決は避ける

相続問題は、感情が入り込みやすく、話し合いが難航しやすいものです。しかし、感情的な言動は、解決を遠ざける可能性があります。冷静に、法的な手続きを踏まえて解決していくことが重要です。

#### アパートの評価と現金での解決：妥当な金額の算出

兄に現金で解決を提案する場合、アパートの評価額が重要になります。アパートの評価額は、不動産鑑定士に依頼するのが一般的です。しかし、簡易的な算出方法として、以下の要素を考慮する必要があります。

* **土地価格：** 質問では約4000万円とありますが、不動産会社などに改めて査定してもらうのが確実です。
* **建物価格：** 築35年と老朽化が進んでいるため、減価償却（建物の価値の減少）を考慮して評価額を算出する必要があります。専門業者に依頼するのが安全です。
* **家賃収入：** 月30万円の家賃収入は、アパートの収益性を示す重要な指標です。将来的な家賃収入の変動も考慮する必要があります。
* **修繕費用：** 築35年のアパートは、今後大きな修繕費用が必要となる可能性があります。この費用も考慮する必要があります。

これらの要素を考慮して、不動産鑑定士や税理士などの専門家に相談し、アパートの適正価格を算出してもらいましょう。単純に土地価格の半分を提示するのではなく、上記の要素を踏まえた上で、兄と交渉することが重要です。

#### 専門家に相談すべき場合とその理由：複雑なケースはプロに依頼

相続は複雑な手続きを伴います。特に、アパートのような高額な不動産が絡む場合は、専門家の助けを借りることを強くお勧めします。弁護士や税理士、不動産鑑定士は、それぞれの専門知識を活かし、適切なアドバイスやサポートをしてくれます。

特に、遺産分割協議が難航したり、相続税の申告が必要な場合などは、専門家のサポートが不可欠です。

#### まとめ：冷静な対応と専門家の活用が重要

相続問題は、感情的になりがちですが、冷静に対処することが重要です。遺産分割協議で合意を目指し、合意できない場合は調停や裁判という手段もあります。アパートの評価額を正確に算出し、兄との間で納得できる解決策を見つけるために、弁護士や税理士、不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。早めの相談が、円滑な相続手続きにつながります。