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築60年木造モルタル家屋の地上げ交渉:二軒の代替住宅要求と名義変更の可否

【背景】
* 父名義の築60年木造モルタル二階建ての借家(54年前に購入)に住んでいます。
* 一階を倉庫として、二階に住居として使用しています。
* 一年前に不動産会社から地上げの話を持ちかけられ、代替住宅の提供を承諾しました。
* 交渉完了まであと二年かかると言われています。

【悩み】
* 代替住宅として、自分の居住用と資材置場用の二軒を要求したいと考えています。
* 資材置場用の住宅の要求が通る可能性に備え、父から自分に名義変更したいと考えています。
* 資産価値がゼロに近いので、生前贈与税や相続税はかからないと考えていますが、本当に大丈夫でしょうか?

代替住宅二軒要求は交渉次第、名義変更は贈与税の対象となる可能性あり

築60年木造モルタル家屋と地上げ交渉の基礎知識

まず、ご質問の状況を整理しましょう。ご自宅は借地の上に建てられた築60年の木造モルタル二階建て住宅です。借地権(土地を借りて建物を所有する権利)と建物所有権を所有されている状態ですね。 不動産会社からの地上げ提案は、土地の所有権者から商業施設建設のために土地を買い取る提案です。 ここで重要なのは、建物は土地に付属するものではなく、土地と建物は別々の権利として扱われるということです。 そのため、土地の買収と建物の取り壊しは別々に交渉されることが一般的です。

代替住宅二軒の要求について

代替住宅を二軒要求することは、交渉次第で可能性はあります。 しかし、不動産会社は商業施設建設という明確な目的を持っており、必要以上の負担は避けたいはずです。 二軒目の住宅(資材置場)の必要性を、明確な根拠を示して主張する必要があります。例えば、事業継続に必要な倉庫スペースの確保、代替地への移転費用などを具体的に説明することが重要です。 交渉は、感情論ではなく、論理的な根拠に基づいて行うことが大切です。 弁護士や不動産鑑定士などの専門家の協力を得るのも有効な手段です。

名義変更と贈与税、相続税について

資産価値がゼロだからといって、生前贈与税がかからないとは限りません。 税法上は、建物の時価(売却した場合に得られる価格)が評価対象となります。 たとえ築60年の老朽化した建物であっても、更地として売却した場合の土地の価格、建物の解体費用などを考慮した価格が評価額として算出されます。 この評価額が一定額を超える場合、贈与税の課税対象となります。 相続税についても同様で、ご父君の死亡時に相続税の対象となる可能性があります。 相続税の評価額は、贈与税の評価額と異なる可能性があります。

関係する法律や制度

このケースでは、主に民法(不動産に関する規定)、相続税法、贈与税法が関係します。 特に、借地借家法は借地権に関する規定を含んでおり、地上げ交渉において重要な役割を果たします。 また、不動産の評価については、不動産鑑定士の鑑定書が重要な証拠となります。

誤解されがちなポイント

「資産価値ゼロ」という表現は、税務上の評価とは異なります。 税務上の評価は、専門家による鑑定が必要となります。 また、「証紙代だけで済む」という情報は、正確ではありません。 手続きには、登録免許税などの費用がかかります。

実務的なアドバイスと具体例

まず、不動産会社との交渉は、書面で行い、内容を明確に記録しておくことが重要です。 弁護士や不動産鑑定士に相談し、専門家のアドバイスを得ながら交渉を進めることをお勧めします。 代替住宅の要求については、具体的な面積や仕様、場所などを明確に提示する必要があります。 名義変更については、税理士に相談して、贈与税の発生額を正確に把握し、適切な手続きを行う必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

地上げ交渉は複雑な問題であり、専門家の助言なしで対応するのは困難です。 特に、代替住宅の交渉や名義変更に関する税金の問題については、弁護士、税理士、不動産鑑定士などの専門家に相談することが重要です。 専門家は、法律や税制に関する知識を有しており、適切なアドバイスとサポートを提供できます。

まとめ

築60年の老朽家屋の地上げ交渉は、複雑な問題です。 代替住宅の要求や名義変更は、専門家の助言を得ながら慎重に進める必要があります。 「資産価値ゼロ」という考えは、税務上の評価とは異なるため、専門家による評価が必要です。 交渉は書面で記録し、弁護士や不動産鑑定士などの専門家の協力を得ながら進めることで、ご自身の権利を保護することができます。

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