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精神障害の兄と実家の不動産:成年後見制度と家族の未来を考える

【背景】
* 精神障害を持つ兄がいます。誇大妄想があり、金銭感覚が全くなく、入退院を繰り返しています。
* 先月父が亡くなり、母は既に亡くなっています。
* 兄に成年後見人を付ける手続きをしています。
* 兄は退院を希望し、実家に戻ることを強く望んでいます。
* 姉は兄の退院後の行動を懸念し、家族には内緒で実家と自宅を往復しています。
* 私は末妹で、双極性障害があり、仕事が長続きしません。夫はアルバイトでわずかな収入しかありません。
* 兄の今後の生活を支えるため、実家に引っ越すことを検討していますが、自信がありません。

【悩み】
兄の今後の生活、実家の不動産の売却、遺産分割、そして自身の精神状態と経済状況を考慮した上で、どうすれば兄にとって、そして家族全体にとって最善の選択ができるのか悩んでいます。 兄のプライドの高さから、うまく対応できないことにも不安を感じています。

兄の状況と家族の状況を鑑み、成年後見制度を活用しつつ、段階的な解決策を検討することが必要です。

成年後見制度と不動産売却

まず、成年後見制度(成年後見、保佐、補助)について理解しましょう。これは、判断能力が不十分な方(被後見人)を保護し、その財産を管理するために設けられた制度です。 質問者様の兄には成年保佐人が付く手続きをしているとのことですが、保佐人は被後見人の財産管理を主に担当します。 しかし、薬の服用管理などは、残念ながら保佐人の範囲外です。 そのため、ご家族が協力して兄の服薬管理をサポートする必要があります。

実家不動産の売却と遺産分割

実家の不動産売却は、兄の生活費を確保する上で重要な選択肢です。 しかし、遺産分割協議(相続人同士で遺産をどのように分けるかを決める協議)が済んでいないと、簡単に売却できません。 遺産分割協議では、相続人全員の合意が必要です。 もし、合意が得られない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てる必要があります。

具体的な解決策の提案

兄の状況を考えると、いきなり実家へ引っ越すのではなく、段階的なアプローチが重要です。

  • ステップ1:成年後見開始と財産管理:成年後見人が選任されれば、兄の財産管理を任せられるようになります。 不動産売却についても、後見人の判断を仰ぐことができます。
  • ステップ2:一時的な住居確保:兄が退院後、すぐに実家に帰るのではなく、まずはグループホーム(共同生活援助)やケアハウスなどの施設を利用することを検討しましょう。 そこで生活のリズムを整え、服薬を継続する練習をすることができます。
  • ステップ3:実家への移行:兄の状態が安定し、自立生活が可能になったと判断できれば、実家への移行を検討します。 この際、訪問介護サービスなどを利用して、生活のサポート体制を整えることが重要です。
  • ステップ4:不動産売却と今後の生活設計:不動産売却によって得られた資金は、兄の生活費や今後の介護費用に充てることができます。 売却後、兄が安心して暮らせる住居を確保し、継続的なサポート体制を整える必要があります。

誤解されがちなポイント:成年後見と家族の責任

成年後見制度は、被後見人の生活全般を担保するものではありません。 特に、薬の服用管理は家族の責任であることを理解しておきましょう。 後見人は財産管理が中心です。

実務的なアドバイス:専門家の活用

弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家への相談が不可欠です。 遺産分割、不動産売却、成年後見制度の手続きなど、専門家のアドバイスを受けることで、スムーズに問題解決を進めることができます。

専門家に相談すべき場合

遺産分割で相続人同士の意見が合わない場合、不動産売却に関する手続きが複雑な場合、兄の精神状態が悪化し、適切な対応が困難な場合などは、すぐに専門家に相談しましょう。

まとめ

兄の状況は複雑で、解決には時間と労力がかかります。 しかし、成年後見制度を活用し、専門家の力を借りながら、段階的に問題に取り組むことで、兄と家族にとって最善の未来を築くことが可能です。 焦らず、一つずつ解決していくことが重要です。 ご自身の精神的なケアも忘れずに、周りの方のサポートも活用しながら進んでいきましょう。

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