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結婚前の財産と離婚時の財産分与:輸入車売却と貯蓄の扱い方

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友人が離婚することになり、財産分与について相談を受けました。友人は結婚前に高額な輸入車を所有しており、結婚後も車を購入したり売却したりしています。結婚前に所有していた財産と結婚後に取得した財産をどのように区別すれば良いのか分からなくなっています。
【悩み】
結婚前に所有していた輸入車と貯金、結婚後に購入した車、そして現在の貯金などを考慮した上で、離婚時の財産分与の対象となる財産を正しく計算する方法を知りたいです。具体的には、結婚前に所有していた財産の範囲と、結婚後の共有財産をどのように算出するのかが分かりません。
離婚時の財産分与は、夫婦が婚姻中に取得した共有財産を、原則として2分の1ずつ分割する制度です(民法760条)。しかし、結婚前に既に持っていた財産(持ち寄り財産)は、原則として財産分与の対象にはなりません。これは、婚姻関係が始まる前から個人が所有していた財産であり、婚姻によって取得した財産ではないためです。
ご友人のケースでは、結婚前に所有していた輸入車(A)と貯金200万円が持ち寄り財産です。輸入車(A)を売却して得た500万円も、元は結婚前の財産に由来するため、持ち寄り財産とみなされます。したがって、結婚前の財産は700万円(200万円+500万円)となります。
結婚後の共有財産は、国産車(B)の購入費用300万円、国産車(C)の購入費用500万円、そして現在の貯金800万円です。これらの合計は1600万円です。
財産分与の対象となるのは、共有財産から結婚前の財産を差し引いた額です。つまり、1600万円(共有財産)-700万円(結婚前財産)=900万円が財産分与の対象額となります。この900万円を2人で分割することになります。
離婚時の財産分与は、民法760条に規定されています。この条文では、離婚の際に夫婦の共有財産を分割する義務が定められています。ただし、持ち寄り財産は、この共有財産の範囲には含まれません。
結婚前に所有していた財産が、結婚後に価値が増加した場合でも、その増加分は必ずしも財産分与の対象になるとは限りません。増加分が、婚姻生活における努力や協力によって得られたものであると認められる場合に限り、財産分与の対象となる可能性があります。今回のケースでは、輸入車(A)の売却益は、婚姻生活による努力や協力とは関係なく発生したと考えられるため、結婚前財産の一部として扱われます。
財産分与の計算は、複雑になる場合があります。特に、高額な資産や、ローンを抱えた資産がある場合は、正確な計算が重要です。ご友人には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、資産の評価や、財産分与の算定方法について適切なアドバイスをしてくれます。
例えば、国産車(B)はローンで購入したため、残債があるかもしれません。その場合は、残債を差し引いた純資産額を共有財産として計算する必要があります。また、ブランド物や電化製品などの価値も、正確に評価する必要があります。
財産分与は、離婚手続きの中でも特に複雑で重要な事項です。特に、高額な資産や、複雑な資産状況がある場合は、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。専門家は、法律的な知識に基づいて、適切な財産分与の方法を提案し、手続きをスムーズに進めることができます。ご友人にとって、納得できる結果を得るためにも、専門家への相談は非常に重要です。
* 結婚前の財産は、原則として財産分与の対象外です。
* 結婚後の共有財産から結婚前の財産を差し引いた額が、財産分与の対象となります。
* 財産分与の計算は複雑なため、専門家への相談が推奨されます。
* 資産の評価や、ローン残債の処理など、正確な計算が重要です。
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